東大・安冨教授、れいわ新選組から参院選出馬(全文1)現代社会は豪華な地獄
国民国家という名のシステムは機能しなくなった
政治の原則とは何かっていうのは、私の考えでは、私たちが住んでいるこの豪華な地獄は国民国家という名前のシステムで、それはイギリスで形成された資本主義的な、資本制的生産システムとそれからフランスで形成された市民による国民軍というもの。この2つが融合して出来上がったものだと私は見立てているんですけども、これがもはや機能しなくなった。というか機能しなくなり始めたのは第一次世界大戦のときなんですが、もうそこから100年もたっているので完全に機能しなくなっている。だけどそれがまだ私たちの社会の根幹になっているというところにやっぱり問題の本質があって。それがインターネットとか、それから高齢化とか、アジアの台頭というような大きな波によって、崩壊の危機にひんしている。それが私たちが暮らしている時代だと思っています。 だからこの時代においては、社会の目的、政治の原則であるところの国民国家システムの維持、つまり別の言葉で言うと富国強兵っていうことなんですけれども。富国強兵って言っちゃ古くさいんで、経済発展とかGDP何パーセントとか言い換えてるんですけども、それは実は富国強兵の言い換えにすぎないと私は思いますが、だからそこから別の原則に移行しないといけないと。 その原則って何かって言うと、私は子供を守るっていうことだと考えています。なぜかと言うと、それは、生命が、私たちが生きる、目的が何かあるのかっていうことを考えたらそれは子供を守るっていうことなんですね。特に社会というもの、アリの社会にしてもハチの社会にしても、その目的は子供を守ることです。だから私たちの社会はもともと自分たちを守るためではなくて、子供を守るためにあったんだと。もしそうでないならとっくの昔に人類は滅んでたと思うんですが、その人類不変的なというか生命に不変的な原理に戻るだけのこと。それを思い出せば私たちは国民国家の地獄から逃れられるのではないかというふうに思っています。