FIAスレイエム会長、イギリスメディアの”偏向報道”に不満「しかし、彼らには私やFIAを支配する力はない」
FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムは、イギリスのメディアから公平な扱いを受けていないと不満を漏らした。 【写真ギャラリー】角田裕毅、台湾でレッドブルRB8ドライブ! この発言は、著名なF1デザイナーであるエイドリアン・ニューウェイが『ハイパフォーマンス・ポッドキャスト』に出演し、レッドブルを離れてアストンマーティンに移籍した理由について語ったことを受けたモノだ。 ニューウェイは、マックス・フェルスタッペンもかつてレッドブルに所属していたセバスチャン・ベッテルも、イギリスのメディアから不当に扱われていると発言した。 「こうした悪者扱いによって、ふたりとも苦しんだ時期がある。非常に不公平だ」 motorsport.comの独占インタビューに応じたベン・スレイエム会長はこのニューウェイの発言に同意。モータースポーツにおけるメディアの役割について自身の意見を述べた。 「私はマックス(フェルスタッペン)をリスペクトしている。私もドライバーのひとりだからね。私も(中東ラリー選手権で)チャンピオンだったし、勝者やチャンピオンを尊敬しているんだ」 「彼も不当な扱いを受けたようだが、私のことについて話そう。英国のメディアと彼らが私にしたことを見れば……彼らは私を有罪扱いしたんだ。冗談ではない」 「彼らが私を非難したわけではないが、それを続けている。それを気にするか? 答えはノーだ。彼らがそうするのはなぜか? それは自分たちを売り込み、報道を広めるためだ」 「しかし、彼らには私やFIAを支配する力はない」 「英国のメディアや他のメディアには失礼だが、彼らには投票権がない。我々は独立した民主的な連盟だ。私を選んだのは会員だ。権力があるのは総会であって、彼らではない」 「こんな馬鹿げたことはやめて、ビジネスに戻って、スポーツのためになることをしないか? できるかどうかを聞いているんだ。彼ら(メディア)がそれを望まないなら、それは彼らの問題だ」 「それでも人生は続く。彼らが私に何をしたと思う? 彼らは私を強くしてくれた。より注意深く、より賢くなった」 「それに(FIAの)サポートもある。そして、もし会員たちが私を会長から交代させる時が来たと判断したら、それは会員たちが決めることだ」 「結局のところ、誰が私を会長に据えたのか? FIAの総会であり、メンバーだ。私はこのことをはっきりと申し上げている。そして、彼らがそれを好まないなら、それは彼らの問題だ」 「私は誰にも言い返さないし、あなたたち(メディア)にはあまり答えないし、報復もしない。なぜかって? 時間がないからだ。会員が望むこと、モータースポーツが望むことに答えるので精一杯なんだ」 来年、FIA会長に再選されることを望んでいるベン・スレイエム会長は、就任した2021年末よりも今のFIAの方が良い状態になっていると確信している。 「正直なところ100%そう(今の方が良い)だ。そしてそれには非常に多くの部分が関係している。内部的には、今の方が効率的だ。物事を実現するための、動きが早くなっている」 「そして我々はメンバーの声に耳を傾けるという使命に立ち返った。会員を排除すればFIAは存在しない。とてもシンプルなことだ」 「FIAはより健全な状態にある。そして(F1)チームもまた、強力で健全なFIAを必要としている」 FIA会長としての最初の任期の残りの目標について、彼は次のように語った。 「今年の目標は、マニフェストを達成することだ。そして、我々は正しい道を歩んでいる」 「我々はそれに加えてFIAを復活させた。冗長化や人員削減ではなく、より多くの収入を得ること、そして他者が我々とフェアであること、FIAの位置づけを変えて改革し、我々の使命に立ち返ることによってそれを成し遂げた」 「そしてもうひとつ。もし私とレース(会長選)で争いたいという人がいれば、大歓迎だ」 「我々は民主主義について話している。だから、私は(他の誰かとの対戦を)喜んで引き受けるよ」
Erwin Jaeggi
【関連記事】
- ■FIAスレイエム会長、これまでの取り組みへの”評価不足”に泣く?「我々が貰うのは暴言だけなんだ」
- ■43歳アロンソが語る未来予想図。“唯一の優先事項”は3度目のF1タイトル……また出るならインディ500よりもダカールラリー?
- ■ルイ・ヴィトンやTAGホイヤーとのコラボもある!? F1、LVMHグループと10年超の大型契約締結。年間額は100億円超え?
- ■マックス・フェルスタッペンの父ヨス、FIAの”言葉狩り”に苦言「多くを語りたくはないが、最も馬鹿げたことだ」
- ■FIAの”暴言取り締まり”は、F1だけでなくWRCにも……オジェも罰金刑に抗議のためインタビューにまともに応じず「ファンの皆に申し訳ない」