サラダは1皿ごと、メインは配膳……「新しい形」模索するビュッフェ【#コロナとどう暮らす】
ビュッフェの魅力×新しい生活様式
新しい提供形式を検討する動きは、日本のビュッフェレストラン発祥の店でも。 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い4月2日から臨時休業していた「帝国ホテル 東京」内のビュッフェレストラン「インペリアルバイキング サール」が8月1日、営業を再開しました。同店は1958年に日本で初めてビュッフェを取り入れたレストランとされています。 従来は、他店と同様に客自らが料理を取り分けていましたが、再開にあたり、各客席に配置したタブレット端末で料理を注文し、スタッフが代わりに取り分けて席まで配膳するスタイルを導入。狙いは、料理が並べられたテーブルでの客の密集を避けることです。 客席は休業前の200席から100席に半減。複数人数で来店した客には対面して座らないよう協力を求めているそうです。また、並べられた料理の周りにはアクリル製のカバーを設置し、飛沫感染の防止にも努めています。 営業再開にあたり、感染防止策の他にも、店内に設置した大型モニター4台を通じて厨房での調理の様子をライブ映像で楽しめるようにしました。さらに、「アスパラガスやトリュフのリゾット」など注文後に客ごとに作る新メニューを考案し、料理したてを味わえる工夫を凝らした他、バーテンダーが客席近くにきて客の目の前でカクテルを作るといった新サービスも始めました。 営業再開までに要した期間は約4か月。同ホテルの広報担当者によると、「一流の料理を定額で好きなだけ味わえることと、それにプラスして自分で盛り付けて楽しめるというビュッフェ形式の魅力を生かしつつ、新しい生活様式に合わせた提供の形式を提案できるようになってから再開したいと考えていました」とのこと。再開後は、「お客様にお声掛けする機会が増えたおかげで、以前よりもお客様とスタッフとの心の距離が近くなったと感じています」と言います。 客席を減らす「間引き営業」については、「安全・安心を最優先して、ニューノーマル(新しい常態)に対応するために必要」と広報担当者。「提供方法やメニューを工夫することにより、さらなる新しい価値と楽しさを提供していきたい」としています。 (取材・文:具志堅浩二) ※この記事のコメント欄に、さらに知りたいことや専門家に聞いてみたいことなどがあればぜひお書きください。次の記事作成のヒントにさせていただきます。