発達障害グレーだった小4長男が「ガリガリの野良猫」を保護→子猫との交流で“驚きの変化”が
みんなが寝てしまうと鳴いて起こす甘えん坊
「長男いわく、動物を飼うことは小さな許しの連続で、それが人を許せることに繋がったそうです。許すことができるようになったことで、怒りのコントロールができ、癇癪が収まったと感じたようでした」 甘えん坊のモコちゃんは呼んでも呼ばなくても近くに来てくれ、家族の体に乗ることが大好き。みんなが寝ると寂しくて、鳴いて起こそうとしました。 「長男は、モコに慕われてたんだと思う。“愛される”は経験しやすいけど、“慕われる”って人間界では経験できないことも多い。“慕われる”から生まれる感情でしか育てられない人間性があるとしたら、モコとの日々はとても貴重な経験になったのだと思います」
長男を救ってくれた愛猫が天国へ
出会って3年経つ頃には長男さんは癇癪を起さなくなり、中学へ入学。ようやく訪れた穏やかな日々は長く続くように思われましたが、モコちゃんに異変が。 単身赴任中だったパパひつじさんは年末に帰省した際、モコちゃんの反応が鈍いことに違和感を覚えたそう。 「年始に赴任先へ戻ろうとした時、モコは足をプルプルさせ、倒れてしまいました。その後は通院し、腎臓の治療などをしていましたが、体調はよくなりませんでした」 死期を悟ったのか、モコちゃんは家族に近寄らなくなり、押し入れの奥などの静かな場所で過ごすように。そして、病院でレントゲン撮影をしている時に痙攣を起こし、天国へ旅立ちました。 長男さんはある程度、覚悟していたようで、取り乱すことなく死を受け入れたそう。 「ただ、亡くなった日は泣きながら『最後だから一緒に寝るんだ』と言い張って、硬直したモコと一緒に寝ていました」
モコちゃんとの思い出を自作の物語に
大切な存在を失った長男は、再び癇癪を起こすかもしれない。心配したパパひつじさんは長男さんが穏やかな気持ちで暮らしていけるよう、自作の猫物語を家族に贈りました。 「モコは長男に拾われて幸せだった。そして、俺たちもモコに救われた。いつまでも悲しんでいたらモコも悲しむから、前向いて生きていこうね!と伝える物語です」 その物語のおかげか、長男さんは「モコは俺を救ってくれた。そんな俺がいつまでも悲しんでいたらモコが悲しむ」と前を向いてくれたそう。長男さんの部屋には“骨壺”という形で、モコちゃんと生きた証が大切に飾られています。