“覚えること”ができなくなった夫に訪れた「仕事ができない」という苦難…他人に迷惑をかけてでも働き続けるべきか?【漫画】
見た目は変わらないのに、どんどん記憶が薄れ、“自分が知らない”夫になってしまったら…? 時間や場所の感覚がなくなり、家族の顔でさえわからなくなる病「若年性認知症」を真っ向から取り上げ、SNSでも話題のコミックエッセイ『夫がわたしを忘れる日まで』(吉田 いらこ 著)から一部を公開します。 【前話を読む】妻「認知症と分かってスッキリした」夫「そうは思えない」若年性認知症と診断された本人と妻に生じた大きな“ズレ”
【前話のあらすじ】
病院での診察を終え、息子・陽翔の面倒を見てもらっていた夫・翔太の両親と共に食事に出かけた彩は、仕事と偽って家に来てもらっていたため、“いつも通り”の様子で過ごそうとしていた。
久しぶりの孫との食事を楽しむ義両親の様子を見て、早く若年性認知症と診断されたことを伝えなくては…と思う彩だったが、翔太は診断結果を聞いた後も、受け入れることができていなかった。
そして、夫を励まそうと「前向きに考えていこう」「原因がわかってスッキリした」と明るく語る彩の言葉を、翔太は「そうは思わない」と否定してしまう。 これから訪れる「若年性認知症」との戦いに、夫婦はどう臨んでいくのかーー。
陽翔 そろそろ出ないと遅れるよ
はーい お父さんなにしてるの? スマホ 財布 名刺
病院で診断を受けてから1年が経ち、翔太は会社と話し合って、営業部から負担の少ない総務部へ異動になった
サポートの人がついてくれて、社内向けの書類作成をしているらしい よしOK 周りも理解があって無理なく働けるって言ってたけど
いってきまーす いってらっしゃい
最近 翔太の調子はどう? お義母さんだ
今日も元気に会社へ行きましたよ 昨日は3人でピクニックに行ってきました! 楽しそう 何か困ったことがあったら遠慮せず何でも言ってね
あのときはどうなるかと思ったけど…
それは診断から数日後 翔太の両親に病気のことを打ち明けたとき え…認知症って…
治るのよね? …ねぇ?
そ…そんな…
病気はどのくらい進行してるんだ? 今はまだ初期の段階だから日常生活に大きな支障はないけど…