「マンUでクリロナにディスられた監督」「万能主将アラバはケガで出場NG」なのに…オーストリア“EURO躍進のナゼ”「心から楽しんでるよ」
佳境を迎えるEURO2024。優勝候補が強さを見せる一方で、波乱もあって「死のトーナメント」といっていい山が発生した。それを演出した番狂わせ候補のオーストリアの現状を含めて展望していく。(全2回) 【画像】「クリロナ、目も合わさない…」途中交代に不服で因縁のオーストリア智将…「いきなりフランスvsベルギー、ヤバすぎ。オーストリアもキツいな」“死の山”トーナメント表も見る
ゲーゲンプレスのプロトタイプを作った智将だが
マンチェスター・ユナイテッドでパッとしないチームしかつくれなかったラルフ・ラングニック監督が、なぜこれほど見事なオーストリア代表を築けたのだろうか──。 最近、イングランドのメディアを中心に、そうした記事が出回っている。なぜならラングニック監督が率いるオーストリアは、EURO2024のグループDでフランスとオランダという優勝経験国を抑えて、首位通過を遂げたからだ。 もとより戦前から、彼らをダークホースに挙げる有識者は少なからずいた。その最大の理由と考えられていたのが、このドイツ人指揮官の存在と彼が植え付けた組織的なトランジション・フットボールにある。 直前のシーズンまでリバプールを率いたユルゲン・クロップ監督らが世に広めた“ゲーゲンプレス”のプロトタイプは、ラングニック監督が考案したものとされている。プロ選手のキャリアを持たない66歳の指導者は、今大会でドイツの指揮を執るユリアン・ナーゲルスマン監督や、2021年にチェルシーを率いてチャンピオンズリーグを制したトーマス・トゥヘル監督などにも、多大な影響を与えた戦術家だ。 だからこそ、全体的に動きの少ないイングランド代表と好対照のチームとしてオーストリアが引き合いに出され、ユナイテッドは2021年11月にチームを生まれ変わらせてくれると信じて、ラングニック監督を暫定的にでも招聘したのだろう。
ロナウドがラングニックを“ディスった”日
ところが当時のユナイテッドには、サウジアラビアに飛び立つ前のクリスティアーノ・ロナウドがいた。30代後半のスーパースターは新監督が求める守備のタスクを受け入れなかったばかりか、のちに大きな物議を醸したインタビューでこのように明かしている。 「彼のことをボスと呼んでいたが、実のところ、一度も彼をボス(監督)と考えたことがなかった。何しろ、彼は過去数年、現場を離れてスポーツディレクターを担っていたのだから」 つまり赤い悪魔と呼ばれる名門クラブでは、選手のハートを掴むことができず、要求の多いプレッシングスタイルを植え付けられなかった。結局、2021-22シーズンのプレミアリーグで6位に終わり、ラングニックは暫定監督の座を離れ、次のシーズンからコンサルタントになる契約も行使しなかった。
【関連記事】
- 【こちらも→】“壮絶な死の山”EURO決勝T「我々がベスト」スペインにドイツ、不甲斐なく不運なフランスvsベルギー、ポルトガルも…明暗の現状と展望
- 【画像】「いきなりフランスvsベルギー、ヤバすぎ…オーストリアもキツいな」“死の山”トーナメント表を見る。クリロナとラングニックが目を合わさず“確執”説、「上半身裸がムキムキすぎるエムバぺ」などワールドクラスのレア写真も
- 【こちらも→】注目はエムバペ、ロナウドだけでなく…「天才レフティの息子」「名将絶賛のトルコ19歳」ダークホースの逸材
- 「フリックは約束を破った!」ドイツは、日本戦惨敗→監督解任→フランス戦勝利をどう受け止めた?「新監督はナーゲルスマンが最有力だが…」
- 《ブラジル人記者の町田ゼルビア本音評価》筑波大戦“ラフプレー論争”に「クロダ監督は…」