「マンUでクリロナにディスられた監督」「万能主将アラバはケガで出場NG」なのに…オーストリア“EURO躍進のナゼ”「心から楽しんでるよ」
フランスに敗戦後、監督が選手を称えたワケ
そんな頃にラングニック監督に声をかけたのが、オーストリアだった。 この中堅国の代表チームも当時、ユナイテッドと同様に苦しんでいた。カタールW杯の予選で敗退し、ファンからも見放されつつあった。だがスター選手のいないオーストリアは、同じドイツ語を話す新指揮官の言葉に熱心に耳を傾け、チームはダイナミックに生まれ変わっていった。 本大会までの2年間で、オーストリア代表は結束した組織的な集団となり、ベルギーやスウェーデンらと同居した予選を2位通過し、戦前の親善試合ではドイツやトルコらに快勝。フランスとの今大会初戦では、個々の能力では圧倒的に上回る相手と互角の勝負を演じながら、不運なオウンゴールにより0-1で敗れた。 「フランスには敗れてもおかしくはないと思っていた。私たちは非現実的な夢想家ではない」とラングニック監督は試合後に話した。 「ただうちの選手たちは称えたい。彼らは持てる力のすべてを出し切ってくれたのだから」 そんな言葉でいま一度チームを奮い立たせると、次のポーランド戦に3-1で勝利。さらにオランダとのグループ最終戦では、激しいシーソーゲームを制して3-2の白星を掴み、他会場で引き分けに終わったフランスを抑えて、グループDを首位通過したのだ。
MOMのザビツァーが「完璧に心得ている」ものとは
「フットボールでは物事が瞬時に変わる。浮き沈みもつきものだ」と話したのはオランダ戦で決勝点を奪い、MOMに選出されたマルセル・ザビツァーだ。 「問われるのは、いかに歩みを進めていくかだ。僕らはここ数日、本当に良い準備をしてきた。このチームは誰が出ても、なにひとつ変わらない。全員がそれぞれの役割を、完璧に心得ているからね」 攻撃時には、ボールホルダーの周囲で数人が動いてパスコースをつくり、チャンスと見れば前線やサイドに強いパスをつけて、一気にゴールを目指す。ボールを失っても、選手全員に即時奪回の意識が染み付いており、相手の陣形が崩れているその瞬間に囲い込んで奪い返せば、ゴールはより近くなる。
【関連記事】
- 【こちらも→】“壮絶な死の山”EURO決勝T「我々がベスト」スペインにドイツ、不甲斐なく不運なフランスvsベルギー、ポルトガルも…明暗の現状と展望
- 【画像】「いきなりフランスvsベルギー、ヤバすぎ…オーストリアもキツいな」“死の山”トーナメント表を見る。クリロナとラングニックが目を合わさず“確執”説、「上半身裸がムキムキすぎるエムバぺ」などワールドクラスのレア写真も
- 【こちらも→】注目はエムバペ、ロナウドだけでなく…「天才レフティの息子」「名将絶賛のトルコ19歳」ダークホースの逸材
- 「フリックは約束を破った!」ドイツは、日本戦惨敗→監督解任→フランス戦勝利をどう受け止めた?「新監督はナーゲルスマンが最有力だが…」
- 《ブラジル人記者の町田ゼルビア本音評価》筑波大戦“ラフプレー論争”に「クロダ監督は…」