藤野あおばが続ける“準備”と“分析”。「一番うまい人に聞くのが一番早い」マンチェスター・シティから夢への逆算
なでしこジャパンで26試合6得点。弱冠20歳ながらレギュラー格の存在感を示してきた藤野あおばは、マンチェスター・シティで刺激的な日々を過ごしている。2024年11月中旬以降はフル出場を続け、課題を克服しながら試合ごとにプレーをアップデート。「常に考えながらプレーする」ことを大切にしてきた藤野が、課題を克服するために大切にしていることとは? ともにプレーする中で衝撃を受けたアタッカーや、代表でも近いポジションでプレーする長谷川唯から受けた影響、キャリアの展望についても話を聞いた。 (インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]、写真=なかしまだいすけ/アフロ)
衝撃を受けたイングランド代表アタッカー「この選手はやばいなと」
――藤野選手は、初めて代表に選ばれた時や、年代別代表でも、先輩や他のメンバーの経歴などを調べて、入念な準備をして臨んでいたそうですね。マンチェスター・シティに加入して合流する時も、他のメンバーのことは調べていったのですか? 藤野:はい。その選手にどういう特徴があって、どれぐらい自分と年齢が離れているのかということは、なでしこジャパンに入った時と同じように頭に入れていきました。自分を知ってもらうためにも、まずは自分が相手を知ることが、チームに馴染んでいい人間関係を作り上げるために必要なことだと思っています。 ――その中で、実際にプレーをして「この選手はすごい」と感じた選手を1人挙げるとすればどの選手ですか? 藤野:「この選手はやばいな」と思ったのはローレン・ヘンプ選手です。練習量がすごいですし、プレーを見ていても勉強になるところが多くあります。もともと海外の選手に対して抱いていたイメージがあって「日本人選手に比べて得点能力に優れているけど、守備はあまりしなくて90分間走りきれない」とか、「ものすごい強力な武器を持っているけど、自分のやりたいことに偏ってしまう」という印象がありました。でも、ヘンプ選手はマルチに何でもできて、1対1で相手をはがす能力は素晴らしい武器だと思いますし、守備でも自陣まで戻って体を張ったり、攻守のプレーをハイレベルにこなすことができます。自分にとってサイドハーフ、ウィング像に一番近くて、「こういうプレーヤーになりたい」と思いましたし、自分に対してもすごく良く接してくれるのでありがたいです。 ――スーパーリーグは日本人選手が増えていますが、その中で刺激を受けることもありますか? 藤野:この前のリーグ戦(シティが1-2で敗戦)で決勝ゴールを決めたエバートンの(林)穂之香さんなど、結果を出している選手はすごいなぁと思いますし、自分も同じくらい負けないように頑張らなければと思うので、いい刺激を受けています。