ブラックロックとバンガード、テキサス州が提訴-ESG投資を問題視
(ブルームバーグ): 米テキサス州を中心とする複数州がブラックロック、バンガード・グループ、ステート・ストリートを提訴した。投資を通じて電気料金を吊り上げ、反トラスト法(独占禁止法)に違反したと主張している。ESG(環境・社会・企業統治)投資を問題視する大型の訴訟が提起された。
原告団にはテキサス州のケン・パクストン司法長官のほか、ウェストバージニアやモンタナなど共和党が強い10州が加わった。
パクストン氏は同3社が結託して石炭業界全体に生産削減を招き、その結果、米消費者が負担するエネルギー価格を押し上げたと主張。著しい競争低下を招く株式購入を違法とする1914年のクレイトン反トラスト法を引用した。
今回の訴訟では、ブラックロック、バンガード、ステート・ストリートが、ピーボディ・エナジーやアーチ・リソーシズを含む石炭会社の株式取得を通じて、経営陣に炭素排出量の削減を迫ったと主張している。これは、ESGブームの絶頂期だった2021年に始まった。
原告側は、同3社が石炭会社の株式保有を理由に、株主決議の投票など、生産量を抑制し市場競争を制限するような措置の実施を禁じるよう裁判所に求めている。
ブラックロックは訴訟について「テキサス州は親ビジネスとの評価を損なう」と声明文で指摘。「ブラックロックが企業を傷つける目的で投資を行ったという指摘は根拠がなく、常識に反する」と続けた。
バンガードとステート・ストリートは、この訴訟について即座にコメントすることはなかった。
原題:BlackRock, Vanguard Accused of Antitrust Violations by Texas (3)(抜粋)
--取材協力:Will Wade.
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Saijel Kishan