残酷だった夢の甲子園 福岡大大濠・川本康平主将 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第9日の29日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準々決勝が行われ、福岡大大濠は東海大相模(神奈川)に8-0で破れた。 【福岡大大濠vs東海大相模の試合を写真特集で】 ◇福岡大大濠・川本康平主将 甲子園は夢の舞台でもあり、残酷な場所でもあると感じた。今日の試合が、典型的な例だと思う。自分たちのしたい野球は一切させてくれなかった。 初先発の馬場(拓海投手)は多少緊張があり、試合前はそれをほぐすことを徹底した。点を取られても序盤だったので「まだ追いつける余裕はあるぞ」とチーム全体で励ました。(二回から登板した)毛利(海大投手)には、どこに投げても相手打線に全部拾われ長打になっていたので、「ここは踏ん張り時、ここは気持ちだぞ」と伝えに行った。 三塁コーチにも入ったが、なかなか今日は仕事がなかった。「ランナーをためよう」と話していたが、自分たちの思うような野球ができなかった。「何が何でも0点では終われない」という気持ちも及ばず、自分たちの実力不足だった。 昨秋は九州王者を掲げてあと一歩届かなかった。その弱さ(の克服)をこの冬に追求してきたが、また(あと)1勝のところでセンバツベスト4以上の目標を達成できなかった。今までしてきたことをこれからしても、ベスト8が限界。チームが全国の舞台で上に行けるようなチーム作りをしたい。 ◇「勝敗分けたのは二回表」八木啓伸監督 (勝敗を分けたのは)二回表の門馬(功)選手の本塁打。3点目がスイッチのタイミングだと思っていたので、そこで(3、4点目となる)本塁打を打たれたのが非常に大きかった。 (先発を馬場拓海投手に託したのは)毛利(海大投手)も少なからず精神的、肉体的疲れが残っているだろうし、馬場も良い経験出来るはずで、総合的に考えて馬場を先発にした。(馬場には)一回(の守りから)戻ってきたとき「高さを気をつけなさい」と言った。ちょうど打ちやすい高さになっていた。ボールが全体的に高くて、ベルトの高さにいっていた。毛利もしっかり準備してくれれば投げられると思った。 (8強の壁を破るのに一番の課題は)打撃。石田(隼都)投手は非常にいい投手だと思うが、あのレベルを打てないとこの先三つ勝つのは難しくなる。打撃は改めて強化したい。 (準々決勝からの投手起用の難しさについて)やはり球数制限、それから日程。物理的に1人で投げきるのは難しいのではないか。投手は複数いるに越したことはなく、エースをどのタイミングで投げされるか今後の指導者の課題だと思う。 (東海大相模は)試合の入りの流れのもって行き方、勢いの付け方がさすがだなと思った。 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。