「有名人夫妻の子」では伝わらない岸谷蘭丸さんの苦闘の過去 難病、勉強とどう向き合った?
決意のダイエットで20kgの減量に成功
薬の副作用でかなり太っていたというかつての岸谷蘭丸さん ――中学受験を決めたのはいつ頃ですか? 岸谷:受験準備を始めたのは小学校5年生で、遅い方だったと思います。SAPIXに通い始めた頃は、クラスの真ん中くらいの成績でした。本をよく読んでいたおかげで国語は得意でしたが、理科と社会は全く勉強していなかったので、平均的な成績でしたね。ただ、理社の勉強を始めると、テストのたびにクラスが上がっていきました。 ――志望校を決めた理由は? 岸谷:早稲田実業に決めた理由は、入学後に勉強したくなかったので大学まで行けること。もちろん早実は中高でも成績が満たないと留年がありますが、それはやっていけると思いました。それから男女共学という点でした。女子にもてたいという気持ちもありました。(笑) とはいえ、病気の治療で使用していたステロイドの副作用で太っていたので自信もなかったし、もてませんでしたね。中2の冬に一大決心をしてダイエットをして、20kg近く痩せました。 ――志望校に合格し、学校生活は楽しくすごせましたか? 岸谷:そう…ではなかったですね。早稲田実業中学では最初は順調でしたが、中学2年頃から校風の厳しさや、自分の目標が見つからないことに苛立ちを感じるようになりました。授業中に寝たり、保健室で過ごしたりと反抗的な態度を取っていましたね。
アメリカでの留学生活では「1日16時間の勉強」で逆転
――中学卒業後、留学を選ばれた経緯を教えてください。 岸谷:中学3年の夏にセブ島で短期留学を経験し、初めて異文化に触れる面白さを実感しました。それがきっかけで「世界で挑戦したい」という思いが芽生え、早稲田実業の高校への進学を辞退して、アメリカの高校に進学する決断をしました。親も最初は心配していましたが、僕が新しい目標に向かって動き始めた姿を応援してくれました。 ――留学生活ではどんな苦労がありましたか? 岸谷:一番は英語ですね。アメリカの高校では最初、一番下のクラスからのスタートでした。でも「1学期ごとに1つ上のクラスに進む」という目標を立て、16時間勉強する日々を続けました。その結果、3学期で3年分の課程を終えることができました。その後、進学を見据えてニューヨークの高校からプリンストン(ニュージャージー州)の進学校へ転校しました。