肩肘張らず、気楽に「野球体験」、北摂ベースボールアカデミー「大人の野球イベント」
「無理しないでいこう!」
筆者は6月末のイベントに参加した。 午後4時半、豊中市の千里北町公園野球場には、人々がぼつぼつと集まってきた。 ジャージ姿、ユニフォーム姿、短パンなど、いでたちは様々だ。 時間になってグラウンドに入り、自己紹介を行う。 すでに、何回か行われているイベントなので、半分くらいは顔なじみだ。 「うちの息子が野球を始めたんです。野球経験はなかったのですが、キャッチボールの相手くらいはしてやりたいと思って」というお父さん。 「小学校までしか野球の経験はないのですが、ちょっとやりたくなって」という青年。 中には「さっきまで試合をしていました」という猛者もいる。 30代が数人、あとは40~50代と言うところか。 グローブやバットを持ってきている人も多いが、道具は一通り用意されている。
最初はキャッチボール。その場で相手を見つけて、ボールを投げ合う。これで身体もほぐれ、参加者の表情も柔らかくなる。 「ノックしまーす!」と言う植松氏の掛け声で、内野と外野の2か所に別れて、ノックが始まる。 内野のノッカーは植松氏、外野はスタッフが担当。どこを守るかは自己申告による。 ゴロや飛球をキャッチすれば「ナイス!」と声がかかる。ボールを落としても、逸らしても「惜しい」「もうちょっと」ポジティブな声がかかる。 このノックで「俺は内野は無理だな」とか「一塁ならいけそうだ」などと、自分の能力に手ごたえを感じる。
投打で意外な能力を発揮する選手がいる。塁まで必死に駆け抜けて、息が上がる選手がいる。 野球の試合の掛け声は「がんばれ」とか「ナイスピッチ」などが飛び交うものだが、このイベントではそれに加えて「無理しないでいこう!」という声がかかる。あくまで「遊び」だから、ケガをしては元も子もない。ハッスルして、自分の力以上のものを発揮しようとし過ぎないように、お互いに、ケアをしながらの野球体験なのだ。