来年の流行を大予測 2025年の「ヒット有望株」と「新・消費トレンド」
流行を生み、新しい世界をつくるのは、いつの時代も新しい価値を持った商品だ。具体的な商品を例に出しながら、2025年の消費トレンドを予測。大きく変わる世の中を、一足先に紹介しよう。 【関連画像】2025年ヒット予測ベスト30の1位には、肩掛けプライベートAIが選ばれた。25年度の発売を予定しているAIスマートリンク(シャープ)は、使用者と周囲の状況をモニタリングして提案を行う 令和の時代こそ、“ゆとり”が大事――。インフレが続く中で節約や投資判断を迫られ、最新テクノロジーで得られる様々な利便性は使いこなす必要があるなど、人生は選択の“超連続”に。コロナ禍の終わりとともにインバウンド拡大や出社回帰が始まり、世の中には人もあふれている。そんな時代の揺り返しで癒やしやゆとりをもたらす、人類の知恵が次なるヒットを生むだろう。 【キーワード1】脳サポート “第2の脳”となり暮らしをサポートするのがウエアラブルのAI(人工知能)デバイス。25年度発売予定のAIスマートリンクは、使用者と周囲の状況をモニタリングして提案を行う。記憶や行動の一部を委ねられ、使用者にゆとりをもたらす。 利用していないサービスの契約を整理しきれず、「サブスク貧乏」に陥る人も多い。これらを一括で管理できる上、通常価格よりも割引されるバンドリングサービスが、大手携帯キャリアから提供される見込みだ。 氾濫する情報を、代わりに処理してくれる商品やサービスに注目。生活をログできる肩掛けAIデバイスや、サブスク利用を一元管理するサービスへの依存度が高まる。即時性の高いメッセージアプリもやり取りが超スムーズと話題。 ・肩掛けプライベートAI(1位) ・サブスクスーパーバンドリング(2位) ・Jiffcy(ジフシー)(10位) 【キーワード2】“不足”の事態解決 様々な業界で労働力不足が話題になった「2024年問題」だが、足りないのは人手だけではなかった。社会の成熟とともに顕在化した“不足”の事態を解決する商品やサービスにも注目だ。冷凍食品の品質向上とラインアップ充実により各家庭で起こっている「冷凍庫パンパン問題」は、縦入れできて出し入れしやすい「おべんとPON」が解決する。 インバウンドの急拡大で、交通機関の混雑や公共スペースの過密化をもたらす「オーバーツーリズム」。駅ロッカーに入れた荷物を宿泊するホテルへ運ぶサービスによる「手ぶら観光」が、その解決の一助となりそうだ。 これまで注目されてこなかった“不足”を埋める商品やサービスへのニーズが高まる。冷凍庫の狭いスペースに「縦入れ」できて出し入れが便利な食品や、「手ぶら観光」を促しオーバーツーリズム解消の一助となるロッカー配送サービスなどに脚光。 ・おべんとPON(4位) ・スマート駅ロッカー(16位) 【キーワード3】サードプレイス コロナ禍で人との交流が減った反動もあり「リアルな場所でのコミュニケーションを求める人が増えている」(博報堂買物研究所)。その受け皿となるのが、同じ趣味や志向を持つ人同士で集まりリラックスできる、家庭でも職場でもない“第3の場所”だ。 プレーヤー人口が増加中のポーカーは、専用施設に行けば、初対面の人とも対戦できて交流を深めるチャンスがある。「こどもでぱーと」は、様々な子供向け施設が集合したビル。親が待ち時間を過ごすカフェなども施設内に設置され、新たなコミュニケーションが生まれそうだ。 家庭でも職場でもない“第3の場所”に人が集まる。ポーカースポットは同じ趣味を持つ人との出会いの場にも。子供向け施設を一つにまとめた複合ビルは、親の情報交換の場にもなるカフェやピラティス教室などを備える。 ・ポーカー(7位) ・こどもでぱーと(17位) 【キーワード4】ゆるつら 全盛だった「楽をしたい」欲求のカウンターとして、ある程度は「ゆるいけどつらい」といった実感を求める需要も出てきた。野菜など具材をちょい足しするだけで「手料理っぽく作れる」冷凍食品などが人気を集めるだろう。 楽はしたいが、やっているという実感は欲しい。そんな相反するニーズを、ひと手間で“手作り感”を出せる冷凍食品や、食べてもファスティングできる栄養食品が満たす。適度な運動ができる黒船スポーツも注目だ。 ・ファスティングバー(5位) ・クックイック(11位) ・ピックルボール(14位) 【キーワード5】モビリティー革命 交通関連の法改正などに伴い、新しい乗り物が生まれている。50cc原付きバイクの代替として電動のモペッドや海外発の格安電動バイクが普及。返納者向けに免許不要の四輪EVも開発が進む。また、大阪・関西万博を機に日本版ライドシェアの運用も本格化しそう。 ・電動モペッド&格安バイク(9位) ・日本版ライドシェア2.0(25位) ・免許不要四輪EV(28位)