節約メニューの“2日目のカレー”。「食中毒」のリスクをおさえる方法はあるの?
作ってから一晩寝かせたカレーは肉や野菜からうまみ成分が溶け出しているため、1日目よりもおいしく感じることがあるでしょう。「2日目のカレーが好きなので、いつも多めに作る」という家庭も多いかもしれません。しかし、翌日もカレーを食べるのであれば、食中毒のリスクについてよく確認しておくことが大切です。 本記事では、作った翌日のカレーの食中毒のリスクや食中毒を予防する方法とともに、カレーを2日分まとめて作ることによる節約効果についてご紹介します。 ▼節約のために「カップラーメン」はNG? 栄養バランスと節約を両立させる方法とは?
2日目のカレーは食中毒のリスクが高いのか?
カレーは作ってから時間がたつと、ウェルシュ菌が増殖する可能性が高くなります。ウェルシュ菌とは、もともと動物の腸管内や土壌などに存在している菌で、食中毒の原因になることで知られています。 菌は加熱することで死滅するものもありますが、ウェルシュ菌は熱に強い芽胞を形成するため、加熱しても生き残ることが可能です。東京都保健医療局によると、ウェルシュ菌は12~50度で増殖しやすく、43~45度で特に活発になります。そのため、調理後のカレーが冷めてウェルシュ菌が活動しやすい温度になると増殖してしまう可能性が高いと考えられます。 ウェルシュ菌による食中毒では腹痛・下痢などの症状が主で、特に下腹部が張ることが多いようです。潜伏時間は約6~18時間(平均10時間)で、軽度な症状で済む場合がほとんどといわれています。
食中毒を予防して安全に食事をするには?
東京都保健医療局によると、カレーを2日目も食べるときは「ウェルシュ菌を増やさないこと」と「増えた可能性のあるウェルシュ菌を死滅させて全体数を減らすこと」が必要です。 まず、ウェルシュ菌を増やさないようにするためには、菌が増殖しやすい12~50度の状態になる時間をできるだけ短くすることが大切です。小さめの容器に小分けにするなどして、早めに冷蔵庫へ入れましょう。鍋に入ったままだと冷ますのに時間がかかるため、菌が増殖しやすい温度の時間が長くなってしまうおそれがあります。 また、2日目にカレーを食べるときは、しっかりと再加熱しましょう。ウェルシュ菌は温度が下がった食品中では、芽胞ではなく熱に弱い栄養体の状態で生存しているため、加熱調理をすることで菌の数を減らすことができます。全体に熱が行き渡るようかき混ぜながら、グツグツするまで再加熱してください。