役柄に徹底的に入り込む“メソッド演技法”を実践した21人の俳優: ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロほか
◆シャーリーズ・セロン
近年はメソッド演技法に反感を抱いているというシャーリーズ・セロン。しかし『ディアボロス/悪魔の扉』(1997)では監督がメソッドを勧めていたため、同演技法を実践したという。2020年、米ロサンゼルス・タイムズに対し以下のように語った。「私にメソッドは無理。“ディアボロス”でやってみたけど、ただ疲れ切ってしまった。今では、役柄を理解し、ともに瞬間を生きることをもっと上手くこなせるようになった」
◆フォレスト・ウィテカー
『ラストキング・オブ・スコットランド』(2006)でウガンダの独裁者イディ・アミンを演じたウィテカーは、数か月にわたり役作りに励んだ。体重を約13キロ増量し、ウガンダで生活し文化を体験。スワヒリ語を学び、犠牲者とも面会した。撮影が開始しても同役になりきり続け、アミンの方言が消えないようにしていた。
◆レオナルド・ディカプリオ
2015年の『レヴェナント: 蘇えりし者』で、凍てつく寒さの荒野でキャンプ、動物の死骸の中で眠る、バイソンの生肉を食すといった役作りを行ったディカプリオ。当時、メディアに向け「これまでで最も困難だったシーンは30~40ある。凍える寒さと低体温症にずっと耐えていた」と明かした。ベテラン撮影スタッフ曰く、“キャリア史上最悪な経験の1つ”だったそう。
◆エイドリアン・ブロディ
『戦場のピアニスト』(2002)でユダヤ系のピアニストでホロコースト生還者のウワディスワフ・シュピルマンを演じるにあたり、ブロディは身の回りのものを売り払い、人々から離れ必要最低限の生活を送った。さらに、飢餓状態を理解するために約13キロ減量し、ピアノは1日に数時間練習していたと言われている。撮影が終わる頃には日常生活に戻り、他の作品の役を受けるのに苦労したそうだ。
◆ジェイミー・フォックス
2004年『Ray/レイ』で盲目のミュージシャン、レイ・チャールズを演じたフォックスは、厳しい食事法で約13キロ体重を落とした。さらにテイラー・ハックフォード監督は、フォックスに目を接着して人口装具の傷ついたまぶたを着用するよう要求。フォックスによると、閉所恐怖症的な感覚でパニック発作に襲われたものの、最終的には慣れたそう。「想像してごらん。1日に14時間も目をくっ付けなきゃならない。それはもう拷問だ」