役柄に徹底的に入り込む“メソッド演技法”を実践した21人の俳優: ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロほか
◆ホアキン・フェニックス
『ジョーカー』(2019)のホアキン・フェニックスは、同役のために約23キロ減量しメンタルヘルスに影響を与えたことを語った。「目標体重を達成すると、すべてが変わった。毎日起きては0.1キロに執着してしまう。本当に病んでいくんだ」「興味深いのは、減量で予想していなかった身体的な滑らかさ。以前は出来なかったように身体を動かせる気がした。キャラクターの重要な部分となる様々な身体的な動きに役立った」
◆ナタリー・ポートマン
バレエ経験者のナタリー・ポートマンは、『ブラック・スワン』(2010)の撮影前に水泳のほかプロのダンサーと1日数時間のトレーニングを実行。食事制限も行い、約9キロ体重を落とした。英デイリー・メールに向け「1日16時間働き、食べるのもやっとで。いつの間にか、メソッド演技法に足を踏み入れかけていた。今までで一番きつかった。自分の生活に戻りたくても、そのチャンスはない。この作品はずっと私から離れなかった」と明かした。
◆ダニエル・デイ=ルイス
最も有名なのは、生まれながらの脳性麻痺で左足しか動かせない画家を演じた『マイ・レフトフット』(1989)。脳性麻痺の専門クリニックに通い、スタッフに移動や食事を介助してもらっていたという。さらに、デイ=ルイスは撮影の間ずっと車椅子生活を送っていた。
◆ヒース・レジャー
ジョーカー役で完全没入型のメソッド演技法を実践したのはJ・レトとJ・フェニックスだけではない。2008年『ダークナイト』で同役に扮した故ヒース・レジャーは、何か月間も人との接触を絶ち、撮影の前段階から日記を書き続けた。また、様々な声の調子を試したり、ジョーカーの一部となるまで仕草を取り込んでいった。ベールによると、レジャーは尋問のシーンで実際に殴るよう要求していたそうだ。
◆ジム・キャリー
伝記映画『マン・オン・ザ・ムーン』(1999)で、伝説的なコメディアンのアンディ・カウフマンを演じたジム・キャリー。制作時はカメラの外でもキャラクターになりきり続け、スタッフにはアンディまたはトニー(カウフマンのキャラクター、トニー・クリフトン)と呼ぶように要求していたとされている。