役柄に徹底的に入り込む“メソッド演技法”を実践した21人の俳優: ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロほか
◆ロバート・デ・ニーロ
業界内で最も著名なメソッド演技法俳優の1人、ロバート・デ・ニーロ。実際にタクシー運転手として働き、約13キロ減量した『タクシードライバー』(1976)や、ボクサー役を演じるにあたりウェイトトレーニングで身体を大改造した『レイジング・ブル』(1980)など数々の記憶に残る作品に没入型のアプローチで挑んだ。
◆クリスチャン・ベール
クリスチャン・ベールも役によって体重を大幅に変化させている。『ザ・ファイター』、『アメリカン・ハッスル』、『バットマン』3部作で肉体改造を行ったほか、不眠症の男を演じた『マシニスト』では睡眠時間を2時間に削り約31キロ減量したとされている。一方で、あまりに厳しい役作りのため健康を害し、作品から降板したこともある。
◆レディー・ガガ
『ハウス・オブ・グッチ』(2021)でパトリツィア・レッジャーニを演じたレディー・ガガも、“9か月間イタリア語のアクセントで話す”、“レッジャーニとして1年半を過ごす”といった自身の演技法を告白。またガガは、元の生活に戻るにつれて「撮影終盤のある時点で、心理的な困難があった」と打ち明けた。
◆オースティン・バトラー
2022年『エルヴィス』で“キング・オブ・ロック”ことエルヴィス・プレスリーを演じ切ったオースティン・バトラー。同作撮影中の3年間は家族に会うことなく、何か月もの間誰とも口を利かなかったそうだ。さらに、家族や友人と話す際はエルヴィスの声で話し、“彼の事だけを考えていた”と明かした。そのダメージは非常に大きかったといい、「『エルヴィス』が終わったとき、自分が何者なのか分からなくなった」と語っている。
◆ヒラリー・スワンク
1999年の『ボーイズ・ドント・クライ』では、忠実に役を演じるため胸に包帯を巻き、声を低くして、体重を落とした(現在、スワンクはトランス男性が同役を演じるべきだったとしている)。数年後『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)でボクサー役を演じるにあたり、約9キロの筋肉量をつけ、プロ仕様のトレーニングを受けた。トレーニングによる水膨れが原因でブドウ球菌に感染してしまったそう。