増える「和僑」 なぜアフリカを目指すのか?
ウガンダでの実例
現在のアフリカでは、具体的にどんなビジネスが展開されているのでしょうか。 東アフリカに位置するウガンダの事例をいくつか見てみましょう。現地に詳しい小柴さんによると、ウガンダは、15年ほど前までは北部で内戦が激しかったが、今は政治的にも安定して治安も良くなり、日本人がビジネスをしやすいところだといいます。 ◎AISUD(アイサッド) 村人らに少額の融資などを行うマイクロファイナンス事業を主軸にした村落開発事業。代表は宮本和昌さん。1件あたり4~5万円程度で、農地拡大や家畜、農機具購入などが多いという。 ◎アラガキ・チョコレート・リミテッド ウガンダ初のチョコレート製造会社として2011年9月に設立。コーヒー焙煎士をしていた創業者・荒垣和孝さんが、ウガンダ産カカオの味に可能性を感じ、事業を開始した。 ◎坂ノ途中 京都に本社がある会社。有機農法など環境負荷の小さい農業の普及を目指す。現地法人も設立し、ゴマなどを栽培して輸出したり、現地の富裕層をターゲットにするなど販路の拡大も図っている。 ■小柴巌和(こしば・みちかず) 研究開発第二部(大阪)兼「開発」×「ビジネス」連携支援室 副主任研究員/経営企画部 部長代理。「BOPビジネス」や「ソーシャルビジネス」等のキーワードで政策立案、新規事業開発コンサルに従事。ウガンダを始めとした東アフリカでの日本人起業家支援も実施。日本人にとって未知なる市場であるアフリカが持つポテンシャルに惚れ込み、最後のブルーオーシャンで日本人ならではのきめ細やかさを活かした“和僑”のさらなる活躍を期待している。