クロワッサン食パン、「追いバター」で禁断のうまさ セルリアンタワー東急ホテル
連載《hotel TIPS》Vol.25
編集長がホテルのおいしいものや楽しみを探しに行く「hotel TIPS」。超リッチで禁断の味わいのパンがあると聞いて、大いに興味をそそられました。それはバターたっぷりのクロワッサンのおいしさを、まるごと食パンにとじ込めた逸品なのだとか。自分へのご褒美にも最適という、その「クロワッサン食パン」をぜひ味わいたいと思い、セルリアンタワー東急ホテル(東京・渋谷)のペストリーショップに向かいました。 【1分動画・写真はこちら】バターたっぷりのクロワッサン食パン、作り方を拝見。シェフは何を語る?
■バターの香り トーストで一層引き立つ
スタイリッシュな白いボックスに収まったクロワッサン食パンは、ちょっとよそ行きの風情を漂わせています。折り目正しい直方体で、表面はこんがりと深いきつね色。見る間に豊かなバターの香りに包まれます。これをスライスすると、幾層にも生地が重なるクロワッサン独特の柔らかな表情が断面に現れます。 「軽くトーストして食べることを一番におすすめします」と考案者であるペストリー・ベーカー シェフの三沢徳明さん。熱を加えれば芳醇(ほうじゅん)なバターの香りがさらに強くなるのです。外側はさっくさく、中はしっとり柔らかく、口当たりも含めてリッチな味わい。普通の食パンとは異なる「2層の楽しみがあるんですよ」。 3~4年前のこと。三沢さんは先例のない、おいしい食パンを作りたいと日夜考えていました。今につながるアイデアを思いつくきっかけとなったのが、牛乳の香りが人気を呼んでいたミルクパン。これにバターを仕込んでみたらどうなるだろうと、試行錯誤を繰り返したそうです。 普通のクロワッサンよりもリッチな風味に仕上げるために、様々な工夫を凝らしました。まず、生地をこねて仕込む際には、水ではなく牛乳を使うこと。そうすると大いに香りが良くなるからです。 一般にクロワッサンは生地そのものにバターは練り込まず、生地を幾重にも折り込む工程でバターを加えます。ところが、クロワッサン食パンの場合はあらかじめ生地にバターを練り込み、さらにバターを加えながら折り込んでいくのです。ここで使うのは発酵バター。さらに焼き上げは低温でじっくり、普通の食パンのほぼ倍である70分をかけるといいます。