人気のプレミアムエコノミーは48席に増席。機能性が向上したキャセイパシフィック航空、新777-300ERに搭乗してみた
キャセイパシフィック航空は、全キャビンクラスを刷新したボーイング 777-300ER型機(77J)を、日本路線含む世界の各就航路線で2025年から本格導入する。 【画像】香港国際空港に駐機するキャセイパシフィック航空の機体 ヨーロッパ、オセアニア、北米路線で使用する長距離用77Jタイプを今後、2027年までに30機改修し、機材繰りによっては成田~香港線などの中距離路線やその他近距離路線でも使用する予定。これに先駆け、12月いっぱいは成田~香港線でテストフライトを行なっている。 改修後のボーイング 777-300ER型機(77J)は、エコノミークラス268席、エコノミーよりワンランク上の快適さと機能性を兼ねるプレミアム・エコノミークラス48席、キャセイ初の扉付き個室型となったビジネスクラス(アリア・スイート)45席の、3クラス計361席。 今回、香港(10時30分)発~成田(15時35分)着のCX520便に搭乗し、さっそくリニューアル後の「プレミアム・エコノミークラス」を体験してきた。 ■ 人気のプレエコは48席に増席! シックで大人な雰囲気がかっこいい 日本路線でも人気というプレミアム・エコノミークラスは、座席数が従来の最大34席から全48席に増席。配列は2-4-2。乗り込んだ瞬間にまず驚くのは、シックで大人の雰囲気に生まれ変わったキャビンのラグジュアリー感だ。 その一因となっているのが、キャセイを象徴するグリーンカラー「キャセイジェイド」を思わせる深い緑色のシートファブリック、ダークブラウンの革製ヘッドレストカバー、そしてヘッドレストの側面に新形状の「ウイングレット」を採用したこと。 このウイングレットは隣席や周囲の視線を遮る仕切りの機能を兼ねており、これまでよりもプライバシー性が向上。また、まわすだけで調光できる読書灯も内蔵されている。 ■ エコノミーより足元がゆったりしたシートピッチ、頭からつま先までラク姿勢がとれるリクライニング プレミアム・エコノミークラスの各座席は、シート幅約49cm(エコノミーは約45~47cm)、シートピッチ約95.5cm(エコノミーは約81cm)。リクライニングは最大20cm(エコノミーは最大10~15cm)の傾斜が可能となっている(いずれも非公式の数字)。 エコノミーより足元にゆとりがあるため、前方の窮屈さを感じにくく、高さ調節できるレッグレストと革製パッド付きフットレストを併用することでリラックス体勢がとれる。 中距離路線のためアメニティキットの配布はないものの、客室乗務員に申し出れば毛布やアイマスクなどがもらえるので、就寝する際も安心だ。 ■ 臨場感あふれる大型サイズ4K超高精細スクリーンで、機内エンタメが楽しめるように! また、個人用モニターの改善も大きなリニューアルポイント。従来の11インチが、キャセイのプレエコでは最大サイズの15.6インチ、4K超高精細スクリーンとなり、さらに備え付けのヘッドフォンだけでなく、自分のBluetooth対応ヘッドフォン/イヤフォンを接続きるようになった。 キャセイの機内エンターテイメント「Studio CX」では、新作含む1000本以上の映画をはじめ、Disney+オリジナル作品、スポーツ中継、ゲーム、音楽などを楽しめるほか、トイレの空き状況などもモニターから確認することができる。 ■ 収納スペースやテーブルが機能的。全座席にAC電源&USBポートも備わる 各座席には、前方シートポケット、足元にボトルホルダー、ローブフック。モニター下と座席脇にも収納スペースが備わり、ちょっとした小物やスマホを置くのに便利。 またUSB充電ポートType-A/Type-C、ユニバーサルAC電源も全座席に搭載しているので、スマホだけでなくカメラやPCも充電できる。 食事用テーブルは、アームレスト部分から引き出してセッティングする仕組み。2段階に開くので、半分開けばカクテルテーブルとして、全開にすればPC作業デスクとしても使える。これに加え、中央4列シートの中2席にも仕切りとサイズ調整可能なカクテルテーブルが装備された。 そのほか全キャビンクラスで化粧室を刷新しており、非接触の水洗ボタン、足で開閉できるゴミ箱、赤外線で作動する洗面の蛇口、3段階に調節可能なライトを搭載。プレエコのキャビンには2つの専用化粧室があり、ハンドウォッシュ、ハンドクリーム、消毒ハンドジェルも用意している。 ■ 機内食で世界のグルメ旅気分。プレエコ限定のスパークリングワインも好きなだけ 世界80都市以上に就航しているキャセイとあって、機内食もグローバルなラインアップ。看板メインディッシュは、本格的な広東料理を味わえる「香港フレーバー」だが、西洋料理や日本食も選ぶことができる。 例えば記者が搭乗したCX520便は、香港10時30分発の昼便なので、離陸してまもなくウェルカムドリンクとスナック、そして2時間ほどしてランチが提供される。日本路線の選べるメインディッシュの例として、香港フレーバーの蒸し魚、イタリア料理の豚肉を使ったサルティンボッカ、日本食の焼き鳥とカレーライス。デザートに、キャセイオリジナルのミルクチョコレートとハーゲンダッツのアイスクリームも付く。 さらに、プレミアムエコノミークラス限定で供されるイタリアのスパークリングワイン「プロセッコ」をはじめ、豊富なドリンクもオーダーできる。現地でたっぷり観光を満喫して、帰国の便ではちょっと気分を変えたいという人も、まだまだ香港の味が名残惜しい人も、キャセイこだわりの各国グルメを楽しんでみてほしい。
トラベル Watch,編集部:白江ちなみ
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