ソフトバンク・中村晃が今季貫いたベテランの矜持「人間的に成長できた1年」
ソフトバンクの中村晃外野手(35)が来季もチームの連覇と日本一奪回に貢献する。 昨季はレギュラーとして136試合に出場した背番号7。今季は代打の切り札としての出番に加え、ここぞの試合でのスタメンなど難しい場面での出場が増えた。その中でチームの勝利によりフォーカスし「試合に出た時にヒーローになる」という強い意識で取り組んでいたという。 「もうレギュラーじゃなかったので。規定打席(到達)もないと思ってたし、1年間の目標をどう立てるかが難しいなと思っていた。スタメンで出た時に絶対にチームが勝つことだったり、自分がヒーローになるといった目標のほうが、シンプルでいいのかと思ったので」と振り返った。 普段の立ち振る舞いも意識した。例年以上に感情を表に出すプレーも目立ったが、シーズン終盤にチームのムードが暗くなっていた時は声を出したり、楽しそうにプレーすることを心がけた。長年、レギュラーを張ってきたベテランが、献身的に貢献しようとする姿はチームにとって大きかった。 「口には出さないけど、もともとは自分が良ければいいタイプでもあった。レギュラーならそれでいいし、自分のことをやってそれがチームの成績につながればいいけど、僕はもう違う。何ができるのかは考えました。後輩も見ている。技術的な成長はどうかなと思うけど、人間的には成長できた1年だったと思います」。 8日、FBS福岡放送の「夢スポ」に生出演。今季を振り返るとともに、来季の目標として「打率3割」を掲げた。もちろん、今季の数字には満足していないし、まだまだバットで勝負していく思いに変わりはない。 小久保監督が「困った時に頼ってしまった」と話すなど全幅の信頼を寄せるベテランが、2025年はさらに頼もしい姿をみせる。