わが子の防犯対策どうする…北九州中3男女殺傷犯は逮捕されたが、最大の障壁は“クレーマー対策”?
北九州市の中3男女殺傷事件は近くに住む無職の43歳男が逮捕されたが、もしわが子が通り魔や変質者に襲われたら……気が気じゃない親御さんは多いはずだ。 北海道の大学生集団暴行死は「傷害致死」ではなく「強盗殺人」か…犯行後、現金引き出しクレカで買い物も AI防犯アプリのVxTechが3月に発表した「子どもに対する防犯意識調査」によると、わが子の防犯対策のためにしている・したこと(複数回答)のトップは「防犯ブザーを持たせる」の80.3%。ほとんどの保護者が警視庁の防犯標語「いかのおすし」を伝えているという。 知らない人について「いか」ない、車に「の」らない、「お」おきな声を出す、「す」ぐ逃げる、大人に「し」らせる──という“5カ条”だ。生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏がこう言う。 「もっとも背後から突然襲われたら、非力な子供じゃなくても防ぎようがない。アメリカでは無料のスクールバスを走らせたり、親が車で送り迎えしたりしますけど、それができるのは仕事より家族、子供を守るために残業などせずに迎えに行くという“共通認識”があるからで、日本ではまだ難しいかも……」 もちろん日本でも、小学生は集団で登下校したり、教職員やPTAで通学路を見回ったりと、防犯対策は講じている。 「ただ、学校にもよりますけど、集団登校も毎日じゃなかったり、下校はバラバラとか、PTAも人手不足で見回りも常にできないとか……万全とは言い難いですね」(都内の公立小教諭) 公立か私立かといった違いもあるが、日本にはいろいろな“問題”があるようだ。 子供を都内の公立小に通わせているある保護者が明かす。 「決められた通学路で登下校するのは当然でしょうが、最初は人目が多い大通りだったのが、小学生が走ったりはしゃいだりして通行人にぶつかっていると学校にクレームが入ったそうなんです。その途端、通学路がやや人通りが少ない道に変更されてしまいました」 前出の公立小教諭も、「とにかく今の学校ってクレームを避けたがるんです」とこう続ける。 「小学校低学年ぐらいまでは送り迎えする保護者が結構いるんですが、車や自転車は混雑するからNG。なので皆さん、徒歩で迎えに来ていたんですけど、放課後、校門付近に保護者がたむろしているだけで『うるさい』『通行の邪魔』なんてクレームが近隣から入ったせいで、控えてもらうようになった。クレーマーに弱すぎませんかね」 「いかのおすし」以前の問題じゃないか。