「数字が苦手」だったメルカリのデータアナリストが教える、データ分析の第一歩
この正のループが作れるようになると、データ分析に必要な「計数感覚」が身につくようになるという。計数感覚とは、数字の変化を察知し、その裏で何が起きているのか、要因は何かを推測する力だ。計数感覚が身につくと、「データ分析に効いてくる」という。
データ分析の第一歩:「基礎分析」と「目的別分析」
「数字が苦手」の改善方法に続いて、諏訪氏はデータ分析の第一歩について話を進めた。数字の意味がつかめるようになって、いざデータ分析をしようとすると、何から始めたらいいかわからないという課題に直面した方は多いのではないだろうか。
データ分析のステップは「基礎分析」と「目的別分析」の2つだ。 ・基礎分析:代表的な指標を考えて、その指標の値を見て、比較するという3ステップだ。 ・目的別分析:分析の目的を考え、分析の目的に沿った指標と比較方法を考え、比較を行う。 基礎分析の最初のステップは「代表的な指標を考える」だ。指標とは、「数字として計測するもの」を指す。指標を知ることがなぜ大事なのか。なぜなら、数字には必ず何を測定しているのかを表すラベル(指標)があるからだ。たとえば、身長、体重、気温などがそのラベル(指標)である。 「何から始めたらいいかわからない」は、言い換えると「何の指標をみたらいいかわからない」状態だと言える。データ分析は、「実体をよく表している指標は何か」を知ることから始めるべきだと、諏訪氏。ここで、Webサイトの代表的な指標で考えてみよう。 ・集客状況を知りたい:ユーザー数やセッション数 ・ユーザーがWebサイトをどのくらい回遊しているのかを知りたい:回遊率やユーザー数、PV数 ・Webサイトがどれだけお金を稼いでいるのかを知りたい:売上やコンバージョン数 続いて、タイプ別に代表的な指標を紹介していった。
基礎分析
諏訪氏は5つのサイトタイプごとに、代表的な指標を紹介していった。 ■ [代表的な指標を考える] 5つのWebサイトタイプの代表的な指標を紹介 □ 全サイト共通 どのような目的のサイトでも、集客がなければ成り立たない。集客を測る指標として重要なのが、ユーザー数とセッション数だ。 ・ユーザー数:何人のユーザーがWebサイトを訪問したか(1人が複数回訪問しても1カウント) ・セッション数:ユーザーが何回Webサイトを訪問したか(1人が複数回訪問した場合、その分をカウント) □ ECサイト 買ってもらうことを目的とするECサイトは、売上を中心に見る。 ・売上:どれくらい売上が上がったか(金額) ・CV数(コンバージョン数):どれくらい販売件数があったか ┌────────── 他にも1人当たりの売上単価や、1人当たりの購入個数といった内訳も指標としてみていけるといいと思います(諏訪氏) └────────── □ メディアサイト 広告収益を主とするメディアサイトは、回遊して読まれることが重要になる。広告で収益を上げている場合は、売上も代表的な指標となるだろう。 ・PV数(ページビュー数):何ページ見られたか ・売上:どれくらい売上が上がったか(金額) □ ブランド・コーポレーションサイト コーポレートサイトやブランドサイトには、自社や自社ブランドを知りたいという人が訪れる。指名キーワードで表示したいページが1位になっているかを確認する必要がある。 ・指名キーワードの検索順位 □ データベースサイト(求人、不動産、旅行などのマッチングサイト) データベースサイトとは、求人や不動産、旅行など多くの案件を載せてユーザーとマッチングさせるサイトのことだ。