「数字が苦手」だったメルカリのデータアナリストが教える、データ分析の第一歩
┌────────── このグラフの場合、8月だけ目標に対して未達でした。たとえば、その月だけ何らかの事情でキャンペーンがなかった場合には、『もしかしたら、それが要因かも』といった仮説が立てられると思います(諏訪氏) └────────── ■ (3)グループ間の比較
「流入チャネル」ごとなど、ある軸で切ったグループ間で値を比較する。この比較では、どのグループが優れているかが確認できる。たとえば、流入チャネルを軸とした場合、自然検索・SNS・ダイレクトなどでグループ分けをし、それぞれのセッション数がどれくらいかを比較する。これにより、どのグループがより優れているのか、パフォーマンスが悪いのかが確認できる。
┌────────── 上記の例では、ページごとに売上を見ていった場合を示しています。8月だけキャンペーンからの売上が減っているため、『キャンペーンのせいかも』といった仮説が立てられます(諏訪氏) └──────────
目的別分析:Web担当者のデータ分析の目的は5つに分けられる
基礎的な分析方法がわかると、次は「そもそも何を比較したらいいか、わからない」「比較をした結果をどう読み解けばいいか、わからない」「結果をどのように次に繋げたらいいか、わからない」といった疑問が浮かんでくるのではないだろうか。これら疑問の解決につながる「目的別分析」を解説していった。
「目的別分析」の流れは、「分析の目的を考える」「指標と比較方法を考える」「比較をしてみる」の3ステップだ。 ■ [分析の目的を考える] はじめのステップは「分析の目的を考える」だが、なぜ目的を考える必要があるのか? その理由は2つあるという。一つ目は、ビジネスに役立てるためだ。データ分析をビジネスに役立てるには、ビジネスにおける目的に合わせて分析をする必要がある。 二つ目は、有限な時間の中で有効な分析を行うためだ。指標や比較方法の組み合わせは数多くある。目的からどのような分析が必要かを逆算して、分析方法を絞ることで、効率的に分析ができるからだ。諏訪氏はこれまでの経験から、Web担当者がデータを使ってやりたいと思うことは、主に次の5つではないかと話す。 1. 変化の要因を知りたい 2. 目標を立てたい 3. 施策を作りたい 4. 施策の効果を予測したい 5. 実施した施策の効果を知りたい ■ [指標と比較方法を考える] [比較してみる] 目的→分析→次のアクションの検討まで、目的別分析の流れを事例で紹介 この中から「(1)変化の要因を知りたい」と「(5)実施した施策の効果を知りたい」について、具体的に目的から分析、次のアクションを検討する流れを事例で紹介していった。 □ (1)変化の要因を知りたい 事例:コーポレートサイトの基礎分析において、時系列での比較を行ったところ、先月のセッション数が昨年対比20%も減っていることがわかった。 ・分析の目的:昨年対比でセッション数が20%減少した理由を知りたい ・指標:セッション数 ・比較方法:グループ間の比較