島根原発2号機、約13年ぶりの再稼働へ 運転員の約6割が未経験
中国電力の島根原発2号機(松江市、82万キロワット)が7日、再稼働する。2012年1月に定期検査で運転停止して以来、約13年ぶりの稼働となる。来年1月上旬の営業運転開始を目指している。 【写真】島根原発から8.5キロ地点を示す看板。右奥は島根県民会館。さらに右手には島根県庁がある=2024年12月3日午後4時55分、松江市、垣花昌弘撮影 中国電によると、7日午後、原子炉内で核分裂反応を抑える制御棒を引き抜き、原子炉を起動する。約2時間後には核分裂が連続的に起こる「臨界」に達する見通し。 再稼働後は、いったん原子炉を停止し、設備・機器の点検や検査などを実施し、1月上旬に原子力規制委員会による最終的な検査を終えて、営業運転を始める計画だ。 中国電は再稼働に向けて、津波対策や外部電源・冷却機能の多様化、耐震補強など64項目の安全対策に取り組んできた。建設中の3号機分を含めた島根原発全体の安全対策費は約9千億円に上る見込みだ。 一方、運転員は島根原発が停止した12年1月以降に入社した社員が多く、約6割が運転未経験者。シミュレーターを使って様々な事態を想定した訓練を重ね、元社員からの助言も受けたという。また、関西電力や九州電力の稼働中の原発にも赴き、実際の運転操作を見学したという。 その上で、島根原子力本部は「発電所の状態を熟知しているベテランの当直長、当直副長の監督・指揮のもとチームで運転にあたるため、技術的能力には何ら問題はない」としている。 2号機は、11年3月の東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型炉(BWR)。再稼働すれば、BWRとしては今年10月に再稼働した東北電力女川原発2号機に次いで、震災以降2基目となる。 当初は8月にも再稼働する予定だったが、昨年12月のコンクリート塊の落下による死亡事故で安全対策工事が一時中断した影響などで、12月に延期していた。(堀田浩一)
朝日新聞社