多彩な秀作群味わう 意欲作6部門に111点 現美能美展が九谷焼美術館で開幕
第80回現代美術展能美展(一般財団法人石川県美術文化協会、北國新聞社など主催)は8日、能美市九谷焼美術館で開幕し、郷土で至高の美を追究する重鎮から若手までが6部門で寄せた意欲作111点が会場を彩った。地元の中学生による団体鑑賞をはじめ、初日から多くの愛好者が訪れて多彩な秀作群を堪能し、美術王国石川の豊かな文化土壌の厚みを感じ取った。 能美展は県内5市で開かれる巡回展の最後を飾る。文化勲章受章者や人間国宝をはじめ、活躍する重鎮の傑作や若手の渾身(こんしん)の力作が所属会派を超えて寄せられた。 五彩館では日本画16点、工芸18点、写真12点、浅蔵五十吉記念館では洋画25点、彫刻12点、書28点が展示された。次賞・白山市長賞の南草苑さん(書)、北國賞の馬場凜太郎さん(日本画)と中村陽一さん(洋画)ら能美市と川北町で研さんを積む地元作家の70点も会場を彩った。 ●「造形美すごい」 この日は地元の寺井中の生徒40人が団体鑑賞に訪れ、最高水準の美と触れ合った。陶芸部部長で3年の高田暖真さん(15)は「ダイナミックな作風に驚いた。造形美がすごい」と話し、美術部部長で3年の石田みなみさん(14)は「画風が多様で、色の使い方がとても勉強になる」と目を輝かせた。 会期は20日までで、時間は午前9時~午後5時(入場は午後4時半まで)。入場料は一般430円(75歳以上320円)、高校生以下は無料。 10日に五彩館、12日に浅蔵五十吉記念館で、両日とも午後2時から出品作家のギャラリートークが行われる。申し込みは不要。16日には市美術作家協会の解説会も予定している。