パチンコホール、黒字企業が52.5%まで回復も二極化進む。「新台導入」と「新紙幣対応」がカギ
3年ぶりに黒字法人が半数を超えるもコロナ禍前の水準には戻らず
2023年の損益が判明したパチンコホール経営法人の損益状況を分析した結果、黒字企業の割合が52.5%となった。コロナ禍で業績が悪化し、2021年には約6割の法人が赤字となっていたが、業績は徐々に回復し、3年ぶりに黒字法人が過半数を超えた。
2024年は「新台導入」と「新紙幣対応」が重荷
2023年、パチンコホールの倒産は前年比で30%減少した。コロナ禍では、緊急事態宣言の発出による営業自粛や風評被害などから事業環境が悪化していたが、行動制限が解除されてから多くのホールが業績を回復させたことが倒産に至る法人が減少した要因の一つと言える。 しかし、2024年は廃業が増加、淘汰が進む可能性がある。スマスロだけでなくスマパチでも話題の台が多くリリースされるほか、7月に予定されている新紙幣の発行によりホール事業者はサンド(貸出機)識別機の交換、新しいサンドの購入を迫られることになり、多額の設備投資が不可欠となるため、手元資金の有無が業績の明暗を分け、二極化が鮮明となる一年になりそうだ。長年にわたるパチンコ・パチスロ需要の減少によって資金繰りに余裕のあるホール運営法人は少なく、ガイアの民事再生を契機として金融機関のなかには「パチンコホールに対する見方をさらに厳しくする」といった声もあり、新たな資金調達の可否が鍵となりそうだ。 業界としては、条例などの制限から起死回生の一手を打てない状況に置かれるケースも少なくない。そのなかで、業績回復、ファン獲得のために何ができるのか。時代に即した対応を素早く講じることがポイントとなるだろう。