年収が高ければ高いほど税金も高くなると聞きますが、実際年収「300万円」と「1000万円」ではどれくらい手取り額が違うのでしょうか?
年収が1000万円を超えるときの注意点
各種税金の割合で比較すると、年収300万円と年収1000万円で大きな差はないように思われます。しかし年収が1000万円を超えると、控除や支援制度といった各種制度が使えなくなる場合があります。 ■給与所得控除額が上限に達してしまっている 年収が1000万円を超えると、会社員の課税所得から一定割合を差し引く「給与所得控除」の金額が上限に達してしまっているため、上限額以上差し引くことができません。 国税庁によれば、給与等の収入金額が300万円なら収入金額の30%+8万円が控除される一方で、850万1円以上だと控除額は上限の195万円となります。年収が増えても控除額が抑えられるため、結果として納める税額が大きくなります。 ■配偶者控除がなくなる 年収が1000万円を超えると、配偶者控除が適用されません。国税庁によると、配偶者控除とは、納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合に適用される控除で、一般の控除対象配偶者であれば最大38万円の控除が受けられます。 しかし納税者本人の年収(合計所得金額)が1000万円を超えると控除額が0円となり、控除されない状態になってしまうため、結果として税負担が増えてしまいます。 ■各種子育て・教育支援制度が受けられないケースがある 年収1000万円を超えると、各種子育てや教育支援制度が適用されないケースがあります。例えば文部科学省によると、高等学校等就学支援金制度では、両親、高校生、中学生の4人家族で両親の一方が働いている場合、世帯年収910万円までが所得要件の年収目安となります。 ほかにも奨学金や給付金制度などさまざまな支援に制限が課せられる場合があるため、実質的な生活費負担額が増加する可能性があります。
年収1000万円では控除や支援制度を受けられなくなるケースがある
年収1000万円は、各種税金の割合は年収300万円と大きく変わらないものの、給与所得控除が上限に達していたり配偶者控除が適用されなかったりするなど、所得税控除の面で負担が増えると考えられます。 また、高等学校等就学支援金制度においても所得要件を満たさないケースがあるため、特に子育て世帯だと年収300万円の世帯より教育費が多くかかる可能性があるでしょう。 出典 国税庁 No.1410 給与所得控除 国税庁 No.1191 配偶者控除 文部科学省 高等学校等就学支援金リーフレット(概要版) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部