冬場の入浴時は要注意!身近に潜むヒートショック 脱衣所に暖房器具を設置するなどで予防を
12月に入り全国的に寒さの厳しい日が増加する中、京都府福知山市内でも14日ごろから最低気温が氷点下の予報があるなど本格的な冬の訪れが迫っている。そんな寒い冬に注意したいのが「ヒートショック現象」。入浴時に起こることが多く、重篤な疾病、最悪の場合には死に至ることもある。福知山市消防本部に対策などを聞いた。 ヒートショック現象は、急な温度変化によって血圧が乱高下することで発生し、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞のほか、貧血やめまい、失神なども引き起こす。 気温が下がる冬場の発生がほとんどで、暖かい部屋から寒い脱衣所に移動し、熱い湯船に入り、再び寒い脱衣所に出る-という一連の流れが症状を引き起こしやすくする。
昨年度の救急搬送は28人で11人が死亡 福知山市消防本部
同本部によると、昨年度、市内で同現象によって救急搬送されたのは計28人で、うち6人が重症、11人が亡くなった。今年も同じような状況となっていて、10月1日~12月9日の搬送は計8人で、うち4人が亡くなっている。 同本部によると、ヒートショックにより亡くなった人の直接的な死因で多いのは、血圧低下によって意識を失ったことによる入浴中の溺死という。
湯温は40度以下 飲酒後入浴は×
対策として、「居室間の温度差をなくすことが重要」とし、脱衣所に暖房器具を設置する▽湯の温度は40度以下にし、半身浴で長風呂を避ける▽飲酒後には入浴しない▽家族に風呂に入る、出たことを報告する-などが有効という。 福知山消防署警防課、稲垣鎮救急担当課長(56)は「高齢になるにつれてリスクは高まりますが、誰にでも起こる可能性があります。発生すると重篤化しやすい一方で、予防が大きな効果を発揮する現象でもあるので、可能な範囲で対策してほしい。また、火災も増える季節なので、暖房器具の取り扱いにはくれぐれもご注意ください」と呼びかけている。