ダウンの機能を中綿で再現 ユニクロの次世代高機能アウター「パフテック」が登場
「ユニクロ(UNIQLO)」が、今秋から展開している高機能アウター「パフテック(PUFFTECH)」の発表会を開催した。発表会にはファーストリテイリングの上席執行役員 勝田幸宏氏と、グローバルマーケティング部の吉田実恵子氏、東レのGO事業部部長 大川倫央氏が登壇し、発表会の後半にはランウェイショーが行われた。 【画像】パフテックに採用されている中綿
パフテックは、膨らみの「PUFF」とテクノロジーの「TECH」に由来。気候変動や新しい生活様式による顧客ニーズの変化から、「暖かくて軽くて洗える」の3つを備えたジャケットを目指し、東レと共同で天然羽毛の構造を化学繊維で模した中綿の開発に至った。 中綿は2種類の繊維構造を採用し、繊維の中を中空構造にすることで空気を多く含むようにしたほか、1種類の綿を髪の毛の約5分の1の細さにし、空気を含む繊維の層を多重化した。また、綿をバネのような形状で縮れさせることで一般的なダウンと比べてかさ高性を損なわない構造を実現。かさ高性を保ちながら柔らかさを両立させるために何百通りのレシピを通して試行錯誤したという。ダウンと比べて水に触れてもかさ高性を損なわないという特徴があるため、手洗いで洗濯することができる。 ファーストコレクションでは、メンズ5型、ウィメンズ6型、キッズ・ベビー5型の16型を展開。羽毛が抜けるのを防ぐためにオーソドックスなキルトのデザインに偏っていた従来のダウンジャケットとは異なり、綿で構成されたパフテックの強みを活かし、ジャケットやパーカ、ベスト、コートなど多様なデザインを揃えた。各アイテムは綿抜けしにくい構造を採用し、シーンや合わせる服装を選ばずに着用できるようにしたほか、キッズ・ベビーサイズは洗濯機で洗える仕様にした。 パフテックの今後の展望について、勝田氏は「暖かくて軽い、そして洗えるという機能性から“防寒といえばパフテック”と言われるようにしていきたい」と語り、大川氏は「ようやく製品化まで辿り着いたが、まだ満足してはいない。毎年アップデートをしてダウンの概念を大きく超えるものを作れるように技術革新をしていきたい」とコメント。加えて、吉田氏は「パフテックは今後、ダウンに置き換わる可能性を秘めた素材。進化し続ける次世代のアウターとしてこの価値をグローバルで伝えていくことで、ライフウェアの市場を盛り上げていきたい」と意気込んだ。