仙台育英がプリンス残留に向け大きな1勝!13年ぶりプレーオフ出場目指す聖和学園は痛い連敗
仙台育英城福監督は「最初のチャンスをものにできず、後半はもつれてなかなかチャンスが無く、勝点1でも仕方ないと思っていました」とラストチャンスでのゴールに喜びひとしおだった。前半戦は聖和学園に敗れていたが、「あの時は受け身で、やられなかったら良いなという感じでしたが、今日は経験を踏んだおかげで自信を持ってやれました」とインターハイの経験をプラスにできている手応えを感じていた。中西も「全国に出てから自信を持ってプレーできていて、生き生きしていました。チームとして一体感を出せていて、みんなでプラスの声をかけ合いました」とチームのムードも非常に良い状態。8位のブラウブリッツ秋田U-18とは以前勝点5差のままだが、残留に向けて一丸となるチームは今後リーグの台風の目となりそうだ。 一方の連敗した聖和学園はエースナンバー背番号14のMF安原知希(3年)とFW鈴木優也(3年)、DF川上壱也(2年)が欠場。チームキャプテンの菅原も途中出場と、負傷やコンディション不良の選手が多く、苦しい状況だ。それでも後半攻勢に出たが、得点を奪えなかった。加見成司監督は「やりたいサッカーがやれていません。相手が嫌がることができていません。ダメな部分は改善しつつ、良さも出ていないので、そこは修正しないといけません」と厳しい表情で現状を語る。「技術と判断とアイデアで勝負したいのですが、一人で何とかしようと力が入り過ぎています。もっと力を抜いてプレーして欲しい」と聖和学園らしく、うまく力を抜きながら相手の裏を突くようなテクニカルなプレーを選手たちに求めていた。 この日キャプテンマークを巻き、最後まで守備で奮闘したゲームキャプテンの細谷は「選手がいない分、一人一人が連動して、もっとしゃべっていかないといけないと思います。練習後や試合後のミーティングももっと濃くしていかないといけない」とコミュニケーション面の課題を挙げた。まだ3位をキープはしているが、9月8日モンテディオ山形ユースが勝った場合は勝点1差となり、プレミアリーグプレーオフ出場争いが混沌とする。出場できる選手が今後一体感を持って戦えるかどうか。チームの真価が問われる。 なお、9月6日に高校サッカー選手権宮城県大会の組み合わせが決まり、順調に勝ち進めばこの2チームは10月26日の準々決勝で顔を合わせることとなる。城福監督も加見監督も「上に行くのであればどこかで当たる」とこの一戦も見据えている。プリンスリーグ東北では1勝1敗となったこの2チームが、今後どんな積み上げを見せるかも注目だ。 (文・写真=小林健志)