年明けの米社債発行活発、金利上昇見越し資金調達急ぐ
Matt Tracy [7日 ロイター] - 6日の米社債発行市場は活況だった。例年、年明けの数日は資金調達が活発化するが、今年は10日の米雇用統計を受けた国債利回り上昇を見越し、その前に起債しようとする動きが広がった。 投資適格債市場では22社が発行。年初から累計34社となった。 銀行のシンジケートデスクは、今週の発行総額は約650億ドル、今月は2000億ドルに上ると予想する。 ウェリントン・マネジメントの債券ポートフォリオ・マネジャー、コナー・フィッツジェラルド氏は「スプレッドが歴史的な水準に近づいており、市場はリスクフリーレートの大幅な低下という希望を表向きには諦めているため、今が企業にとって資金調達の好機であるように見える。異例なものも含まれる次期政権の政策が具体化し始める今年、市場が直面することになる不確実性を考慮すれば、なおさらだ」と述べた。 米国債に対する上乗せ(スプレッド)の小ささも起債を促した。ICE BofAコーポレート・インデックスによると、スプレッドは3日時点で83ベーシスポイント(bp)と、最もタイト化した昨年11月30日から数bp拡大したに過ぎない。 6日は外国企業が米国で起債するヤンキー債市場も活況で、BNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、現代キャピタル・アメリカ、トヨタ自動車などの大型案件が市場に出た。トラクター・メーカーのジョン・ディア、重機メーカーのキャタピラーも金融部門を通じて起債した。 3日は自動車メーカーのフォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)が起債した。 インフォーマ・グローバル・マーケッツのデータによると、24年の投資適格債の発行額は1兆5200億ドル。23年の1兆2100億ドルを26%上回り、過去2番目の規模となった。