妊婦検診は平均して14回...!? 「世界でいちばん」健診が好きすぎる日本人の驚異の健診内容
毎年1回は受けることが義務付けられている職場健診。健診結果の異常を示す「*」がついた数値には、実は気にしなくて良いものもあれば、今すぐに再検査を受けなければならないものもある。果たしてあなたは診断結果の本当の意味を理解しているだろうか。 【漫画】くも膜下出血で倒れた夫を介護しながら高齢義母と同居する50代女性のリアル BMI・血圧・尿糖・眼底など項目別にその検査結果の正しい見方を解説した『健診結果の読み方』(永田宏著)より一部抜粋してお届けする。 『健診結果の読み方』連載第5回 『「メタボになるのは男性ばかり」 女性は「圧倒的に優秀」...!? 診断基準値に隠された衝撃のワナ』より続く
健診が大好きな日本人
日本人は世界でいちばん健康診断、略して健診が好きな国民です。一生にわたって、というよりも生まれる前から健診を受け続けているのです。 まず「妊婦健診」があります。文字通り、妊婦の健康状態を診るのが目的ですが、血液検査や超音波検査で胎児の健康状態もチェックしています。しかも出産までに、平均して14回も行われるのです。 誕生後は「乳幼児健診」が控えています。生後1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、9ヵ月、1歳6ヵ月、3歳、の合わせて6回が標準的に行われています。身体計測(身長・体重)が主ですが、医師による一通りの診察や、育児相談なども行われます。また1歳6ヵ月健診からは、歯科診察が加わり、3歳児健診では尿検査も加わります。 保育園や幼稚園に上がると、まず入園時点で1回、その後は毎年2回(春と秋)の健診が義務付けられています。身体計測、背骨や手足の発育状況、視力、聴力、鼻、喉、歯、皮膚などのチェック、心臓のチェックなどが行われます。ちなみに幼稚園は法律上は学校、保育園は児童福祉施設となっていますが、健診の内容は同じです。
小学校でも続く健診
小学校に上がる時点で、各市町村の教育委員会による「就学時健診」が行われます。項目は幼稚園や保育園とほとんど同じですが、ここから義務教育ということもあり、知能検査や発達障害などについての検査が行われます。 入学後は「学校健診」となって、回数は毎年1回になります。身体計測、心疾患の検査、尿検査、結核の有無の検査などが行われます。ただし結核については問診のみですし、昔やられていたツベルクリン検査も、いまは廃止されています。胸部レントゲン検査は、問診等で結核のリスクが高いと判断された場合に限り、教育委員会の判断で行うことになっています。また先述の通り、身体計測のうち座高が廃止されました。 中学校には「就学時健診」はありません。入学後の健診は毎年1回、内容は小学校と同じです。 高校もほぼ同様ですが、1年生のみ胸部レントゲン検査が義務付けられています。大学や専門学校も同様です。 企業等に就職する際には、雇用主に対して「雇入時の健康診断」が義務付けられていますし、入社後は毎年1回(会社によっては年2回)の職場健診(定期健康診断)が控えています。 項目は全部で30項目、40項目という会社も珍しくありません。また危険な仕事や危険物を扱う職種では、別に「特殊健診」が義務付けられています。 なお胸部レントゲン検査は雇入時を除いて「省略可」となっていますが、節目健診(20歳、25歳、30歳、35歳)では、実施が義務付けられています。