放送界の先人たち・岡田太郎氏~“昼メロ”の生みの親が明かす誕生秘話~【調査情報デジタル】
大山 少し分かったような気がするのは、要するにお芝居を映すというのではない。普通はそうですよね。お芝居をさせて、お芝居をしている顔を撮ってしまうのは普通の演出だけれども、つまりそれがお嫌いというか。 岡田 そうそう。嫌いというか。 大山 乗らないというか。それよりもっと違う表現があるだろうと。 岡田 ああ、そうそう。そういうことですね。 大山 なるほど。それは新しいですよ。 岡田 そのように非常に意識したのです。 大山 それでは中途半端な芝居好きはびっくりしますよ。こういうやり方があるのか、と。ああ、そうか、そうか。少し分かりました。つまり人間の行動だけをとにかくじっと見つめているというようなね。それはやはりテレビの最初は特に、小さなフレームを生かすという意味では有効ですよね。手のアップとか。それは和田さん※のアップ主義とはまた違う話ですね。 ※和田勉(わだ・べん<1930~2011>)NHKのディレクター、顔のアップで知られる。 ■ずっとテレビが好きだった 大山 最近のテレビとの接し方はどうですか。 岡田 やはりよく見ますよ。うちでも呆れられるほどです。「好きなのね、テレビが」と言われるくらい、暇があれば見ています。本を読んでいるか、テレビを見ているかくらいです。本は会社で読んだり、病院で読んだりしていることが多くて。家に帰ると、夜はよくテレビを見ていますね。 大山 岡田さんのテレビ人生は非常に変化に富んで充実されていたという気がしますね。 岡田 もういい、という感じがします。 大山 何かおっしゃりたいことがあれば。 岡田 いやいや、特にないです。たまたま大山さんにこうやって聞かれるというのも妙な感じもしますが。僕らがフジ側で一生懸命やっていた時の良きライバルというか、そういうふうに大山さんたちを見ていたし。特に僕なんかにとっては実相寺さんとか、村木さんとか、今野さん※とか、あのへんの世代の方々というのは、ちょっと僕より一つ下の世代。