今季大ブレイクは「想像以上」と驚きも…本間勲スカウトが語る東洋大・新潟内定DF稲村隼翔
8日は埼玉スタジアムまで足を運び、アルビレックス新潟のJ1残留を見届けた。「ホッとしています。やっとぐっすり眠れました」。DF稲村隼翔(4年=前橋育英高)は晴れて、J1リーガーとしてプロ生活をスタートさせる。 今年最も名を上げた大学生サッカープレーヤーと言ってもいい。3年生だった昨年も特別指定選手登録されていた稲村だが、デビューは今年に入ってから。しかし一気に頭角を現すと、終盤戦の戦いでは不動のレギュラーとして試合に出場。ルヴァン杯決勝でも、死闘を戦い抜いた。 クラブとしても驚きがあるようだ。この日、東洋大で行われた会見を見守った本間勲強化部門スカウト担当も「特長のある選手なので、うちのクラブの力には間違いなくなってくれるという確信はあったけど、まさかここまでとは想像していなかった」と本音を漏らす。 最初に目を付けたのは高校時代だったという。「(20年の)10月の中途半端な時期にスカウトになったんですけど、その時に(前橋)育英さんに行ったときに、左できれいなボールを蹴るし、面白い選手だなと思った。大学でも2年生でほぼ主力になっていたし、キャンプに参加してもらったら現場の評価も高かったので、来てもらうことになりました」。 新潟への内定発表は6月ですぐに特別指定選手登録もされたが、出場機会が与えられることはなかった。ただその間も新潟には頻繁に通っていたという。「1年間うちでトレーニングしながら、フィジカルコーチといつも残って筋トレだったりいろいろやっていた」。稲村自身の去年1年間の努力、さらにはチームの育成メソッドにも手ごたえを深めたようだ。 好素材を受け入れるためにも、本間強化担当もJ1残留にホッとした表情を浮かべる。それと同時に責任感も増している様子で、「日本のサッカー界、左利きのサイズのあるCBは貴重な存在だと思う。サイドバックもやったりしているし、そうなってくるとより貴重になってくる。来年は当然スタートから主力としてどれだけやれるか。2年目のジンクスじゃないですけど、難しくなるところは間違いなく出てくる。ただ対策されたときにそれを乗り越えることで成長すると思うので、クラブとしてもしっかりと支えていきたい」と更なる期待を寄せていた。