米ツアー出場権獲得へ! 平田憲聖はグースネックアイアンなのに「上から打ち込まずサラッとレベルに打つ」
米国男子ツアーの来季出場権かけて戦う最終予選会(Qスクール)が現地時間の12日から始まる。日本からは今年の賞金王を獲得した金谷拓実(26歳)と、賞金ランキング2位の平田憲聖(24歳)が出場。平田といえばベタ足スイングが特徴で、今シーズンの日本ツアーではパーオン率5位(71.42%)、バーディ率7位(4.267)と抜群のショット力を誇る。本人は「普通のアイアンショットは上から打つイメージはないです」という。 平田憲聖仕様のグースネック『JPX923 TOUR』と、薄く長いターフ跡を写真でチェック 2021年の大阪学院大学3年時にプロ宣言。22年は大学生プロとして戦い、賞金ランキング58位で初シードを獲得した。翌23年に歓喜の瞬間が訪れる。5月の「ミズノオープン」で、同学年の中島啓太をプレーオフで破ってツアー初優勝。7月には「日本プロゴルフ選手権」を制して、日本タイトルも手に入れる。プロ2年目の23年シーズンは賞金ランキング6位と躍進した。 そして今年は年間4勝を挙げる活躍で、最終戦まで賞金レースをリード。惜しくも最後の最後で金谷に逆転を許したが、獲得賞金は初めて1億円を突破し、キャリアハイの成績を残した。24歳にしてツアー通算6勝。「今年は自分の成長を感じられた」と本人が話すように、ルーキーシーズンだった22年のパーオン率55位(65.95%)、バーディ率62位(3.532)から、スタッツも大きく向上している。 今年4勝を挙げたアイアンは、ミズノの『JPX923 TOUR』。トップブレードが薄くシャープな形状の軟鉄鍛造アイアンで、市販品よりも少しオフセットが大きく、グースネックの特別仕様となっている。グースネックは上からヘッドを入れてハンドファーストにボールをとらえやすい形状だが、平田にそのイメージはない。 「上から入れようとすると地面に刺さるので、あまりそれは好きではないです。どちらかというとサラッとレベルに入れたい。もちろんターフは取れますけど、あえて上から打ち込もうという意識では打ってないです」 平田がショットのバロメーターにしているのはターフ跡。「調子が良くないときは、ダフりたくないとか、トップしたくないとか考えて、どうしても上から潰してしまいがち。すると深く短いターフが取れる。そういう時は状態があまり良くないと思います。インパクトは構えたところに戻る感じで、薄く長いターフが理想ですね」と話す。 実際、平田が7番アイアンで打ったターフ跡は薄くて長い。米ツアーの最終予選会でも、ぶ厚いインパクトで出場権をつかみにいく。 ◇ ◇ ◇ 石川遼のアイアンを見てみると、7番アイアンと8番アイアンにだけ『S』の刻印がある。関連記事の【5年ぶりに年間複数回優勝! 石川遼の7Iと8Iにだけ刻まれた『S』が意味するアイアンショットの進化】では、石川本人が入射角が緩やかになったスイング改造について語っている。