【40代・50代からの老後資金】パスタや丼ものより幕の内弁当を選ぶ人は、投資リスクが低い 前編「老後マネーがショートする人、お金が貯まりにくい人7つの特徴①」
ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんに、老後マネーを貯めるうえで大事なことを教えてもらう連載がスタート。50歳になったら老後資金への取り組みは「そのうち」「いつか」じゃだめ! 今できることをこの連載で見つけて。
「今年は新NISAがスタートしましたね。今まで投資をしたことがなかったけれど、『投資を始めてみようかな』という気持ちになった人もいるかもしれません。 かつて『老後2000万円問題』が世間をにぎわせましたが、老後資金を貯められるか不安は尽きないかもしれません。また、気をつけないとしっかり貯めたつもりになっていても老後にお金がショートする事態にもなりかねません。 老後資金のためだけでなく、今はインフレリスクもあり、貯金をしているだけでは資産が目減りしてしまうことも考えられます。そこでこの連載では、OurAge読者の皆さんのお金の不安を少しでも解消し、お金が貯まるコツをご紹介していきたいと思います。 さて突然ですが、皆さんはお弁当を買うとき、パスタや丼ものなどを選ぶタイプですか? それとも、幕の内弁当のように、いろいろなおかずが入っているものを好んで買うタイプですか? 今回は、お弁当の選び方を投資の仕方になぞらえて、投資のリスク回避のコツをお話ししたいと思います。
投資をしてみたいとは思っても、誰しも損はしたくないはず。でも残念ながら投資にはリスクがあり、それをゼロにすることはできません。価格が変動する株や投資信託などをはじめ投資商品には元本保証がないので、『損をしたらどうしよう』という思いが強くてなかなか踏み出せない人も多いと思います。 確かに、投資のリスクをゼロにすることはできません。でも、できるだけ抑えることはできます。それが一般的に『長期』『積み立て』『分散』投資といわれるもの。中でも特に『分散投資』が大事なんです。 これはよく投資の世界で言われる言葉なのですが、『卵はひとつの籠に盛るな』というのを聞いたことのある方がいるかもしれません。ひとつの籠に卵を全部盛ると、万一籠を運んでいるときに転んでしまったら全部が割れてしまいますよね。それで、『複数の籠に卵を分散して持つことで、全滅を防ぎましょう』ということなんです。 先ほどのお弁当の話でいうと、パスタや丼もののような単品メニューを選ぶよりも、焼き魚、揚げ物、煮物、卵焼き、かまぼこ、佃煮、漬け物など、いろいろなおかずが入っている幕の内弁当を選ぶバランス感覚のある人が、投資のリスクも低いということなんです」