100年ぶりの大彗星になるか? 紫金山・アトラス彗星、日中にも見える可能性
彗星を見るベストタイミング、専門家のおすすめは
■彗星を見るベストタイミング、専門家のおすすめは 「私やほとんどの人の予想では、10月中旬の西の空に彗星が現れる。観察場所にもよるが、日没から1時間半後ぐらいまでの短い時間、高度4~8度付近に見えるだろう」と2020年にネオワイズ彗星の見事な写真を撮影した天体写真家のオリー・テイラーは記している。 アマチュア天文団体の英国天文協会(BAA)に所属する彗星の専門家ニック・ジェームズは「おそらく、最もよく見えるのは近日点通過後だろう」「10月10日以降、夜空に出現する彗星はマイナス等級になる可能性がある」とみている。つまり、非常に明るい天体になり得るということだ。 紫金山・アトラス彗星の尾はおそらく塵と氷からなるが、2つの尾を持つ可能性もある。1つは白っぽく、もう1つは青みがかった色だ。彗星と地球の位置関係によって、彗星の尾がより多くの太陽光を地球の方向に反射する前方散乱と呼ばれる現象が起これば、ひときわ明るく見えるようになるだろう。 ■紫金山・アトラス彗星を見よう:準備するもの 希望は高く、でも期待を持ちすぎないようにして、いちおう10x50の双眼鏡を用意しておこう。双眼鏡は10×42か、15×70でもいい。星空保護区を調べたり光害マップを活用したりして観測スポットに目星をつけ、日の出・日の入りの時間も確認しよう。 紫金山・アトラス彗星は、軌道周期が約8万年の長周期彗星で、太陽系が誕生した時に取り残された無数の彗星の集まりである「オールトの雲」からやってくる。2023年1月に中国の紫金山天文台の天文学者によって、地球と太陽の距離の7倍以上離れた位置で初めて発見され、同2月に南アフリカ天文台サザーランド観測所の小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)により再発見された。
Jamie Carter