【2024"荒れた都知事選"】ポスターに「わが子の写真」"掲示板ジャック"した男性の後悔
「時間をもとに戻せるなら…」今回の都知事選を振り返り、こう後悔の念を話す男性がいます。都知事選で"掲示板ジャック"をして55万円を使い、自分の子どものポスターを都内36か所の掲示板に張った男性です。いったい何が起きたのか、取材しました。 (報道局 調査報道班 佐藤正己)
■主張広める意思は希薄…きっかけは突然
妻子とともに愛知県で暮らす50代の男性。そもそも男性は「そこそこに豊かな人生を送り、今の日本にさほど不満があるわけではない」といいます。 一方で、平和な生活はまっとうな政治があってのもので、今の日本の豊かさを守り、子どもたちに残したいという思いを抱いていました。 「今の日本の豊かさを、子どもたちに残したい」「未来の子どもたちに、よりよい未来を渡したい」 自分の考えを世に広めようとは、あまり考えていなかったという男性。きっかけは、突然やってきました。
■「先進的なアイデア」…掲示板ジャックに参加しなければ「一生後悔」
男性は先月「ポスター掲示場をジャックせよ」というNHKから国民を守る党が掲げた文言を目にします。 選挙の掲示板が「名もない一国民が自由に主張できる場」になり、「マイナーな意見でも伝えたい人は伝えられる」「多様性のある社会にふさわしい先進的なアイデア」だと思ったといいます。 そして「行動を起こさなければ、後で一生後悔するだろう」との考えにいたります。
■55万円払って「わが子をポスター」に
男性はさっそくポスターの制作にとりかかります。ポスターには「ダメ!一極集中」「投票に行こう」「東京を住みよい街に」と見だしをつけ、二次元コードの先に長文の主張を記載。写真はインパクトと力強さのあるものを使って、人々の目をひきつけたいと考えました。 そうでもしなければ、ポスターを見てくれる人はいないだろうと思った男性は、「子どもの写真」がよいと判断。わが子の写真を使うことにしました。 なぜわが子の写真を使ったのか? 「『僕たちの未来を壊さないで!』と本気で怒って『ダメ!』と言っている様な子どもの写真にしたかった」とし、たまたま何かの拍子に撮れた、怒った表情のわが子を使うことに。また、1歳に満たないわが子に写真を見せると「『これでいい?』と聞いたらニコッと笑ったのでこれでよしとしました」と答えています。当然、赤ちゃんに意思表示ができるはずもなく、自分を納得させるためだったといいます。