関電の金品受領問題 第三者委が会見(全文10完)経営者としての責任は重大
個人だったら誰が悪いのか
司会:おっしゃるとおり、180ページから、われわれ、第7章原因分析ということを書かせていただいています。第1-1で、いの一番に、本件の問題に関わった関西電力の役職員において、業績や事業活動をコンプライアンスに優先させるべきではないという基本的な意識を書いたことということは述べさせていただいていて、おっしゃるとおり組織が悪かったとかそういうことではなくて、個人、個人のコンプライアンスの意識というものに大きな問題があったということは委員会の中でも述べさせていただいているつもりではございます。 FACTA:いや、それで、だから個人だったら誰が悪いんですか。はっきりさせてほしいんですよ、はっきりそこをね。そんな組織だのなんだとかいうんじゃなくて、やっぱりこれだけの信用失墜をやっている人間がまったく責任取ってない感じがあるわけですよ。 司会:先ほど申し上げましたように、第5章の第5のところで書かせていただいておりますが、163ページですね。この金品受領といった問題を長年にわたって放置していたことについて、その問題を知っていた関西電力の経営陣の責任というのはとても重大だというふうに思っています。つまり、要は個人のコンプライアンス意識の問題もありますけども、その中でもやはり経営陣のコンプライアンス意識というのは問題だと思っています。 ただ、先ほど、この記者会見を通してお伝えをしている面もございますが、1980年代から脈々とある意味では続いてきたものもあって、その中で、じゃあ特定の人だけをフォーカスをして述べることが実態に合うのかどうかということはこの報告書の中で伝えたかったことの1つではあります。
劇的に体質が変わったのではないか
FACTA:いや、それなら、要するに10年とか9年に、要するに原子力事業本部になって以降、額が何倍になっているんですか。先ほども但木先生おっしゃっているけど、これは全然違う世界いっちゃっているんですよ、たぶん。その前とはちょっと桁が違うと僕は認識しているんですけど、そこはそうじゃないんですか。やはりこの10年ぐらいの、先ほどの昔の話もフィードバックするのは結構だけど、この10年ぐらいで、やっぱり再稼働の問題があったのは事実だけど、やっぱり劇的に体質が変わっちゃったというようなところがあるんじゃないですか。 それで、90近い人間のことを幻影のように恐れているようなのって、普通はそんなの恐れるのは私なんか常識的にはそうは思わないんですけど、何かやっぱり体質の問題じゃなくて、個人がそういうものを利用したんじゃないかと、その疑いが消えないんですよね。そこはどうですか、但木さん。 但木:個人にまず責任があるんじゃないかって、それはもうおっしゃるとおりで、コンプライアンス違反をやった以上、ユーザーから見れば返すつもりだったとかなんとかなんていうのは全然関係がない話で。そういう取引先の関係者から金を、金品を受け取ると。自分がやるんじゃないにしても会社として彼が要求している受注約束みたいなのしているわけだから、それは金品を受領した人に責任があるのはそれはもうまったく明らかです。 経営者責任というのはかなり重くて、原子力事業本部にいた人が、取締役を兼ねてる人もいるわけですよね。この人たちが、やっぱり本社の取締役会で、真面目にこれを論議してどうするのか、ガバナンスとして対応すべき話ですよね。それをやってないのはやっぱり経営者としての責任が重大だと思いますよ。 司会:そろそろ4時間が近づいてきているのですが、ほかにないようですかね。私が手をあげているのを見てなかったらすいません。よろしいですかね。それでは多数のご質問を賜り本当にありがとうございました。以上をもちまして関西電力株式会社第三者委員会の記者会見を終了させていただきます。本日はご多用のところお越しいただきありがとうございました。 但木:どうも、ありがとうございました。 (完)【書き起こし】関電の金品受領問題 第三者委が会見