川崎ブレイブサンダースの変革を象徴する3&Dプレーヤー、飯田遼29歳の気概「何歳でも成長するチャンスはあると思います」
「後半の出だしで自分たちから崩れてしまった」
9月23日、川崎ブレイブサンダースは天皇杯2次ラウンド最終日で群馬クレインサンダーズに83-99で敗れた。Bリーグ発足後の2017年以降では2度の優勝を含む6度の4強入りを果たしていたカップ戦で、早々に敗退した。 10年以上に渡って大黒柱を務めていたニック・ファジーカスが昨シーズン限りで引退。さらにエースガードの藤井祐眞の移籍もあり、今シーズンの川崎は欧州での経験豊富なロネン・ギンズブルグ新ヘッドコーチの下、これまでのハーフコートオフェンス主体とは真逆のスタイルへと変貌した。ビッグマンを含めた5人全員がコートを走り回り、トランジションから積極的に長距離砲を放っていくアップテンポなバスケットボールを指向している。 ロスコ・アレン、アリゼ・ジョンソンというハンドリングと機動力に優れた両ビッグマンが、積極的にボールプッシュすることによるスピードに乗ったオフェンスは迫力満点。彼らのドライブからのレイアップ、キックアウトからの3ポイントシュートがうまく噛み合った時は、リーグ屈指の破壊力を生み出せている。 だが、ディフェンスでは指揮官の求める強度でプレッシャーをかけ続けられているとは言いがたい。チーム1の高さを備える211cmのサッシャ・キリヤ・ジョーンズの故障欠場を考慮しても、簡単に崩されてゴール下でのイージーシュートを許す場面が多い。攻撃回数を増やすことで守備回数も増えるとはいえ、プレシーズンマッチ、天皇杯と直近4試合はすべて失点90点超え。変革の真っただ中だからこその可能性と不安定さを露呈している。 その中で印象的なプレーを見せている代表格が飯田遼だ。群馬戦では第1クォーターだけで3本の3ポイントシュートを決め、試合全体では7本中6本成功と爆発し18得点をマークした。また、前日の信州ブレイブウォリアーズ戦でも3ポイントシュートを3本中2本成功させており、2試合連続で結果を残した。 群馬戦の試合後、飯田は次のように話した。「入りは悪くなかったと思いますが、後半の出だしで自分たちから崩れてしまったところが課題です。昨日、今日と2試合通してチームの成長は見られていると思います。今年はもう天皇杯のチャレンジが終わってしまいましたが、この経験をしっかり2週間後に始まるリーグ戦に生かしたいです」 そして新指揮官の印象を「あまり戦術を伝えすぎないと言いますか、その場その場の選手の判断も尊重してくれます。だからこそ、ちゃんと選手たちが考えてコミュニケーションをとりながらプレーしないといけないです」と語ってくれた。