東海大相模の“超大型左腕”藤田琉生、ドラフト上位候補に浮上も…プロが「育成は難しい」と話す“不安”とは
今年の夏の甲子園で、東海大相模(神奈川)のエースがスカウト陣の評価を大きく上げた。身長198cmを誇る“超大型左腕”の藤田琉生だ。東海大相模は準々決勝で関東第一(東東京)に1対2で敗れ、ベスト8で姿を消したが、藤田は、聖地のマウンドで堂々たるピッチングを披露した。【西尾典文/野球ライター】 【写真を見る】「小芝風花」16歳当時の笑顔が初々しすぎる 歴代「センバツ応援イメージキャラクター」の爽やかな笑顔 ***
最速150キロのストレートに変化球を織り交ぜるピッチング
初戦(2回戦)の富山商戦は、7回、13奪三振、無失点の快投を見せたほか、 3回戦の広陵戦は6回を1失点(自責点0)と試合を作り、チームを勝利に導いた。続く関東第一戦は、8回1/3、2失点(自責点2)と好投。甲子園での通算成績は、3試合、21回1/3、2失点(自責点0)、防御率0.84。今大会で強いインパクトを残した投手の1人であることは、間違いないだろう。 筆者は、各球団のスカウト陣が藤田に熱視線を送った富山商戦を現地で取材した。試合後のインタビューで、藤田は自身のピッチングについて、以下のように振り返っている。 「相手がまっすぐ(ストレート)を狙っていると感じたので、変化球で上手くかわすことができました。変化球は、まっすぐよりも腕を振って投げようと、キャッチャーの木村(海達・3年)とも話していた。それができたのは、自分の成長だと思います」 変化球を織り交ぜた投球がうまくできたと、自らを評価したうえで、こう続けた。 「(立ち上がりの1回の2番打者にカーブをヒットにされたことについて)少し甘く入ってヒットにされましたが、嫌な感じは全くなかったです。『点を取られなければ、ヒットはいくら打たれてもいい』と木村と話していました。単打だったので、次のバッターに集中して投げました。自分くらいの身長が高い投手と対戦することは、なかなか(機会が)ないと思いますので、その高さを生かそうと、カーブはより高いところから落とすことを意識しています。また、チェンジアップは、右バッターに対して上手く低めに集めて投げることができました」 藤田のストレートは、最速150キロ(※筆者が神奈川大会で計測)のスピードが出る。直球で押してもいいものだが、変化球を主体にピッチングを組み立てていくところに、藤田の特長がよく表れている。