写真で見る 歴代の米国大統領専用車 極厚防弾ガラスに超強力エンジン、最高レベルのセキュリティ
リンカーン・コスモポリタン(1950年)
サンシャイン・スペシャルの後継として登場したのが、リンカーン・コスモポリタン・コンバーチブルだった。トルーマン大統領は、最高出力152psの5.5L V8エンジンを搭載したコスモポリタンのロングホイールベース版を特別に改造して使用していた。 同車には、ゼネラルモーターズが1939年に初めて導入し、リンカーンのような競合他社にも広く販売された、ヘビーデューティ仕様の「ハイドラマチック」トランスミッションも搭載されている。 1954年、ドワイト・アイゼンハワー大統領は、雨天時にも観衆から見えやすいように、コンバーチブル・ルーフの後部を透明なプレキシガラス製ルーフに交換させた。これは「バブルトップ」として知られるようになり、1965年まで使用された。
リンカーン・コンチネンタルSS-100-X(1961年)
リンカーン・コンチネンタルSS-100-Xは、おそらく歴代で最も有名な大統領専用車だろう。ジョン・F・ケネディ大統領は、1963年11月22日にテキサス州ダラスで行われたパレードの最中、このクルマの上で暗殺された。 重さ3.5トンの同車に搭載されていたのは、最高出力350psを発生する特注の7.0L V8エンジンだ。通常のソフトトップとは異なり、取り外し可能なバブルトップと軽量メタルルーフのオプションを備えている。また、大統領専用車としては初めて、無線電話、消火器、シークレットサービス用格納式立ち乗り台、後部座席を持ち上げて大統領を見やすくする油圧式リフトなど、数々の装備が施されていた。 ケネディ大統領の暗殺を受け、100-Xは強化装甲、防弾ガラス、耐爆燃料タンク、その他の安全装備が追加された。また、危険性が明らかになったことで、100-Xは大統領専用車としては最後のオープンカーとなった。同社は歴代の大統領が時折使用した後、1977年に引退し、現在はヘンリー・フォード博物館に展示されている。
リンカーン・コンチネンタル(1972年)
1970年型のコンチネンタルに1972年型のスタイリングを与え、全長264インチ(6.7m)、1万3007ポンド(5900kg)の重装甲リムジンとしたのが同車。最高出力214psの7.5L V8エンジンを使用し、装甲板、防弾ガラス、シークレットサービスの自動小銃を保管するためのラックなど、安全装備が満載だった。ジェラルド・フォード(1975年)とロナルド・レーガン(1981年)の両大統領暗殺未遂事件の際にも使用されていた。 コンチネンタルは、大統領が立つためのサンルーフのような屋根の開口部を持つ最後の大統領専用車で、レーガンは1981年の就任式でこのサンルーフを使用した。