腰椎椎間板ヘルニアの原因はご存じですか? 放置すると危険な症状も医師が解説!
腰椎椎間板ヘルニアを放置するとどうなる?
編集部:腰椎椎間板ヘルニアを放置するとどうなりますか? 松林先生:自然経過で消失することもあるので、すぐに何かをしなければいけないことはありません。しかし、危険な症状があるときは早期に対応しないと治療の開始が遅れ、神経症状が残る可能性もあるので注意が必要です。 編集部:放置すると危険な症状とは、具体的にどのような症状ですか? 松林先生:例えば、軽度のしびれのみであれば、ある程度様子を見ても大丈夫かもしれません。しかし、一方で「足に力が入らない」「足が動かない」などの運動障害の症状は日常生活動作に明らかな支障が生じますし、排尿障害や膀胱直腸障害が起こっている場合などは放置すると危険です。 編集部:なぜ、排尿障害や膀胱直腸障害を放置してはいけないのでしょうか? 松林先生:神経圧迫が長期間続くと、元に戻せなくなるからです。特に、運動障害と排尿・膀胱直腸障害は、続いてしまうと治療をしても症状の回復ができなくなってしまうことが考えられます。しびれのみであっても、長期間続くと残る可能性もありますが、機能的な問題の方が日常生活動作に重要なので、この2つの症状がみられる場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。 編集部:最後に、読者へのメッセージをお願いします。 松林先生:現代は情報が溢れているので、色々なものを調べて「ヘルニアかも?」と心配・不安になる人も多いと思います。しかし、1人で悩んでいるよりも、早い段階で医療機関に受診して、診断をつけることが大切です。「こんなことで来院してもいいの?」と悩まず、できるだけ早く相談しましょう。
編集部まとめ
腰椎椎間板ヘルニアは、適切に治療することにより、症状の軽減や回復が期待できるとのことでした。神経の圧迫が長く続くと、元に戻らなくなることもあるので、特に運動障害や排尿・膀胱直腸障害のある場合は、お近くの整形外科に相談することをおすすめします。
【この記事の監修医師】
松林 紘平 先生(日野まつ整形外科) 埼玉医科大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部大学院修了。その後、慶應義塾大学病院、国立栃木病院(現・国立病院機構栃木医療センター)、足利赤十字病院などで勤務医として経験を積む。2023年、東京都日野市に「日野まつ整形外科」を開院。新生児から高齢者まで多くの人を対象とし、「明日の生活がもっと輝くように」の理念で日々診療に取り組んでいる。医学博士。日本整形外科学会認定整形外科専門医・脊椎脊髄病医、日本脊椎脊髄病学会指導医。