アマ13冠の堤駿斗、「食べながら練習できている」 白米は1日500グラムから700グラムに、大みそかWBA挑戦者決定戦
ボクシングWBAスーパーフェザー級9位の堤駿斗(25)=志成=が12日、東京都目黒区の所属ジムで31日に行われる同級挑戦者決定戦(東京・大田区総合体育館)へ向けた練習を公開した。佐々木修平トレーナー(39)のミットに重低音を響かせ、フェザー級から転じたパワーの片りんをのぞかせた。 堤は「この時期としては疲労感も少なくて、食べながら練習できていて、ストレスもない。いつもは筋肉も削って減量していたけど、それもなく、最後までいけると思います」と明るい表情だ。フェザー級時代のこの時期は1日500グラムに制限していた白米を1日700グラムにしても体重をコントロールできており、好調を実感していた。 4月に行われた元WBAバンタム級王者モレノ(パナマ)とのフェザー級10回戦で、直前に新型コロナウイルスに感染し、後遺症に苦しんだ影響で減量に失敗。1・55キロ体重超過し日本ボクシングコミッションから6カ月の資格停止処分を科された。みそぎの意味も込めてスーパーフェザー級転向を決め、いきなり世界タイトル挑戦権のかかる大一番になった。 ただ、元WBA同級王者・内山高志さんも担当していた佐々木トレーナーも「すごくパワーアップした。スパーリングでも相手を倒したりしている。この階級も全然問題ないです」と自信を示した。 対戦相手のWBA同級14位レネ・アルバラード(ニカラグア)は元WBA同級正規王者で34勝(22KO)14敗と経験豊富だ。堤は「クセに対応した動きだったり、対策は一応やっています。精神的にタフなところが一番警戒している部分」と、油断はなかった。 日本初の世界ユース王者で、アマチュア通算13冠と圧倒的なアマ戦績を誇る。1日には弟の麗斗(東洋大)が全日本選手権を制し、大会最優秀選手にも選ばれた。「自分もがんばらなきゃな、と。いいバトンをもらいました」と、兄の顔ものぞかせていた。 目標は1年後の世界挑戦。5戦全勝(2KO)の堤は、新階級で一気に世界へ乗り出していく。31日メインイベントでは元世界4階級制覇王者・井岡一翔(志成)が7月に判定負けしたWBAスーパーフライ級王者マルティネス(アルゼンチン)の王座に挑む。
中日スポーツ