新ブランド「ファビ メルカート」、旬の素材で高揚感を ヒノキやサトウキビなど活用
またはカポックなど素材としての珍しさも旬と捉えて提案し、新しい環境配慮型素材は研究段階であっても積極的に採用する。「せっかくのいい技術も品質やコスト面から市場に広がらずに、諦めてしまうメーカーもたくさん見てきた。こうした素材を積極的に活用しデメリットがあれば消費者に伝えつつ、それを補完するようなブランド体験を提供することが自分の役割だと思う」。
非加熱で15秒 最新草木染め染料を取り入れ
2025年春夏シーズンは、熊本のスタートアップのサーキュライフが開発した新たな草木染め染料「サーキュラーダイ」を用いた。通常天然染料を用いて染める場合、80度の熱湯で30分以上染色をしなければならず、エネルギーと水の使用量が少なくない。「サーキュラーダイ」は半導体の技術を応用して非加熱で15秒で染め上げることができる。色止めはミョウバンを使用する。満汐はこれを用いて天草のヒノキの間伐材から製糸した糸とコットン糸でデニム風に織り上げた生地を、桜の木から抽出した染料で染めたセットアップを企画した。
満汐は現在「サーキュラーダイ」を繊維商社のスタイレムと協働して量産体制の確立に向けてサポートしている。「すでにある素材だけでは、サステナビリティを前進させられない。僕たちは新素材の実験台的な役割も果たしていきたいし、メーカーや同業他社とも共創するマインドを大切にしたい」。