マンション価格も金利も上昇の今、狙い目は各駅停車駅!試してみたい3つの「ちょい駅ズラし」テクニック
毎月のように、首都圏の新築マンションの価格上昇の話題が続く。住宅ローンの金利も上昇局面に移行した。物価の上昇もあり、購入する住宅の予算はあまり引き上げられないというのが現実だろう。では、予算の範囲内で満足度の高いマイホームを手に入れるには、どうしたらよいのだろうか? 新築ではなく中古を検討したり、郊外を検討したりなどさまざまあるが、今回、試してほしいのが「ちょい駅ズラし」のテクニックだ。(住宅ジャーナリスト/山本久美子) あの「コンクリ事件」の綾瀬が地価上昇率ナンバーワンの理由 目次中古マンションは各駅停車駅がねらい目!人気の駅はどこ?急行停車駅と各駅停車駅の価格差は?「ちょい駅ズラし」テクニック3選駅遠より各駅停車駅のほうが資産性を保ちやすい?
中古マンションは各駅停車駅がねらい目!人気の駅はどこ?
急行停車駅のほうが、都心部への移動時間は短いものの、各駅停車に目を向ければ住宅価格は下がる場合が多い。あえて各駅停車駅を狙うというのも、賢い方法だ。 LIFULL HOME’Sが発表した「各駅停車しか停まらないのに人気の駅ランキング」は、物件ごとの問い合わせ数を把握できる不動産ポータルサイトならではのランキングで、対象は賃貸物件。問い合わせ数が多い=人気という想定だ。 その一例を紹介すると、東京都の各駅停車の人気駅は、ファミリー・シングル共に「綾瀬」が1位になった。綾瀬駅は、JR常磐線と東京メトロ千代田線が乗り入れ、千代田線の始発駅となる場合もあり、利便性が良くて、コスパの良い街として知られている。 【関連記事】 >>あの「コンクリ事件」の足立区・綾瀬がなぜ? 地価上昇率ナンバーワンの理由を徹底解剖 マンション購入者はまだ各駅停車駅への関心が高まっていない? このランキングを調査したLIFULL HOME'S PRESS編集部の渋谷雄大さんに「なぜ各駅停車駅のランキングを調べたのか」を聞いてみた。 同編集部ではいろいろなマーケット情報を提供しているが、2022年度から2023年度にかけてのデータをもとに「人気の上がった駅ランキング」を、2024年5月に公表した。その際、地域の拠点となる駅から1駅、2駅離れたところで人気が上がっていることが分かった。これを受け、各駅停車駅に絞って、ファミリー・シングル別に人気の駅ランキングを公表したのだという。 今回の人気の駅ランキングは賃貸物件を対象としていたため、売買物件(中古マンション)の状況を知りたいと、2022年から2024年(いずれも1月~9月)の価格と問い合わせの上昇率を独自に調べてもらった。渋谷さんによると、賃貸物件と売買物件では、少し状況が異なるのだという。 まず、賃貸物件で急行停車駅と各駅停車駅を比べると、賃料は急行停車駅のほうが上がっているものの、問い合わせ件数で見ると、各駅停車駅の方が上がっている。このことから、賃貸ユーザーは、賃料の安い各駅停車駅に注目し始めていることがうかがえる。 一方、売買物件で比べると、価格は各駅停車駅のほうが急行停車駅よりも上昇幅が大きい。これに対して、問い合わせ件数は、急行停車駅のほうが上昇しているので、購入ユーザーの中では、まだ各駅停車駅への関心が高まっていないと推測する。 なお、価格の上昇については、「急行停車駅の価格が先に上昇し、それに遅れて各駅停車駅が上昇しているのではないか」と渋谷さんは見ている。首都圏全体の2024年の価格を2022年と比べると、各駅停車駅が上昇しているが、2016年と比べると急行停車駅と各駅停車駅でほぼ同等であるからだ。