マンション価格も金利も上昇の今、狙い目は各駅停車駅!試してみたい3つの「ちょい駅ズラし」テクニック
急行停車駅と各駅停車駅の中古マンションの価格差は? 1駅ずらせば大きく変わる場合も
さて、同じ沿線内での住宅価格は「急行停車駅が高く、各駅停車のみの駅が安い」といった波のような曲線を描く。そして都心部に向けて右肩上がりになるのが一般的だ。では実際に、どの程度の価格差があるのだろう。 LIFULL HOME'Sに掲載された物件の2024年の第1~第3四半期(1月~9月)の平均価格でまずは人気沿線の「田園都市線」を見てみよう。 世田谷区の「二子玉川」は平均価格が1億円を超えるが、多摩川を越えて川崎市に入ると、急行停車駅の「溝の口」でも4,934万円とかなり手ごろになる。溝の口より手前の各駅停車駅「二子新地」や「高津」は溝の口よりも100万円程度安い。次の急行停車駅「鷺沼」は4,253万円だが、それより手前の各駅停車駅「宮崎台」や「宮前平」は鷺沼より300万円~600万円ほど安い。 やはり、急行と各駅の停車駅で波のようなアップダウンをしていることがわかる。ただし田園都市線の場合は、横浜市に入る「たまプラーザ」以降は平均価格が一段上がるのが特徴だ。 ■田園都市線(一部)の2024年1月~9月の中古マンションの平均価格出典:LIFULL HOME'S PRESS編集部作成 次に「大井町線」も見てみよう。急行の止まる「旗の台」は8,629万円、次の急行停車駅「大岡山」は9,451万円だが、その間の各駅停車駅「北千束」は6,444万円だ。これは、かなりの価格差といえるだろう。「大井町」から「旗の台」の間の各駅停車駅もおおむね6,000万円台におさまっていた。 もちろん平均価格は、土地のブランド性や他沿線との乗り入れ状況、そのときの売り出し物件の状況など、さまざまな条件によって変動する。そのため各駅停車駅でどの程度価格が下がるかは一概には言えないが、値ごろ感は明確にあるようだ。 妥協できるのは「バス便」より「各駅停車駅」 また、こんなデータもある。LIFULL HOME'Sでは、共働き子育て世帯を対象とした「理想の住宅立地」に関する調査を行っている。まず、共働き子育て世帯が理想とする通勤時間は「30分以上1時間未満」(43.5%)が最多となった。 そして通勤経路において許容できる乗り換え回数は「乗り換え1回」(53.1%)が最多で、過半数に達している。 また、駅を選ぶ際に妥協できるポイントは、1位が「乗り換えが発生する」(62.6%)、2位が「急行が停まらない駅」(55.5%)となった。バス便は許容しがたいが、急行に乗り換える各駅停車のみの駅というのは、意外と許容範囲なのかもしれない。