「悔しかったけど…こんな面白い試合ある?って」石川祐希も山本智大もブランも信頼した“おじいちゃん”深津旭弘が37歳で味わった最高の試合
2024年、バレーボール界で最も印象深いゲームといえば、パリ五輪・男子準々決勝イタリア戦だろう。勝てば、およそ半世紀ぶりのメダル獲得に大きく近づく一戦。本調子から程遠かったエース石川祐希も復調し、日本は難敵イタリアから2セットを先取した。しかし――。37歳にして初のオリンピックを経験したセッター深津旭弘(東京グレートベアーズ)が“史上最強のチーム”と過ごした夏を振り返る。【NumberWebインタビュー全2回の1回目/後編に続く】 【画像】「ブランさん…小学生みたいに泣く高橋藍と西田有志」「涙をグッとこらえるキャプテン石川祐希」「天才・関田の目にも涙が…」2024年名場面・男子バレー歴史に残る大激戦を写真で振り返る なぜ、深津旭弘だったのか。 パリ五輪バレーボール男子日本代表のセカンドセッターである。 不動の正セッター関田誠大(ジェイテクトSTINGS愛知)とパリ五輪でタッグを組むセッターが誰になるのかは今年の注目ポイントだった。 2021年の東京五輪後に監督に就任したフィリップ・ブランが起用したセッターは5人。関田を軸に、22年は大宅真樹(サントリーサンバーズ大阪)と永露元稀(大阪ブルテオン)、23年は深津、永露、山本龍(ミロン)をセカンドセッターとして起用した。 だが今年は、代表合宿がスタートした4月の時点で、関田と深津の2人に絞られていた。その時点でブランは、パリ五輪をその2人のセッターで戦うと決めていた。 「ファーストセッターとセカンドセッターは別のポジション」と語ったこともあるブランは、深津を選んだ理由をこう明かしていた。 「旭弘はチームにいいエネルギーを与えてくれるし、経験が豊富で、ベンチから出場しても短時間でいい準備ができる。関田がより良いコンディションで試合に臨むためにも、旭弘とのコンビがベストだと感じた。今年はパリ五輪までにいろいろなパターンを試す時間はない。できるだけメンバーを絞って強固なグループにしなければ」 関田はチームの絶対的な存在かつキーマンだっただけに、指揮官はセカンドセッターに、関田が少しでも楽に力を発揮できる相棒を求めた。昨年行われたパリ五輪予選では、フルセットの末に敗れた第2戦のエジプト戦で、関田が責任を一身に背負い込む姿があったが、そうした司令塔のプレッシャーや負担を少しでも和らげられる人材をブランは選んだのだろう。
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