沼にハマってやっと見えた!? 渓流&海釣り歴10年目アングラー「ルアーカラー解説」 実践ワザからロマン枠まで
■実は一番目立つ? 黒系
続いて紹介するのは黒系のカラーだ。黒系のカラーにもあらゆる組み合わせがあり、ルアー全体が真っ黒なものや、全体的に黒いカラーリングの中にもナチュラル系の反射面を取り入れたものもある。 カラーの名称にブラックという単語が入っていたり、パッと見て全体的に黒っぽければ黒系と呼んでよいだろう。 濁りや白泡の中、さらに暗闇であってもシルエットをくっきり魚に見せられるのが黒系。実は黒系こそがあらゆるカラーの中で最も目立ち、魚へのアピールが強いのではないかと筆者は考えている。ルアーケースには必ず黒系のルアーを入れており、実際に多くの釣果を引き出しているカラーである。
■魔性のレッドヘッド
最後に紹介するのは「レッドヘッド」と呼ばれる、100年以上の歴史がある伝統のルアーカラーだ。 一番釣れるルアーカラーをレッドヘッドと断言する釣り人も少なくない。「レッドヘッドがなぜ釣れるのか?」は、ルアーアングラーの間で話題に事欠かないテーマだ。 一説によると、水の分子が波長の長い赤色を吸収するため、頭部分の赤色が消え、それ以外の部分が魚に見えてルアーのシルエットが小さくなるからだ、というのがある。 多くの魚は側線と呼ばれる感覚器官で水の動きを感知して周囲の小魚やルアーを発見するといわれている。大きなルアーの動きを側線に感知させて、実際に接近すると小さく見えるので思わず口にしやすい、というものだ。 しかしルアーカラー全てにいえることだが、魚が釣れた時に別のカラーを使っていたらその魚が釣れたのか? という検証は不可能なので、あくまで憶測の域を脱することはない。 確かなのは、レッドヘッドには釣り人と魚を惹き付ける何らかの魅力があるということで、筆者もお守りのようにルアーケースに忍ばせている。
■結局どのカラーが正解か?
では結局、ルアーカラーに正解はあるのかというと、これだという正解はないのが実情だろう。 小魚の色とかけ離れたカラーリングであっても魚がルアーを識別しやすい日中に釣れることはあるし、透けて見えるクリアカラーが暗闇の中で釣れることもある。 各メーカーがありとあらゆるカラーを長年にわたりラインナップしていることからも、これが正解というカラーがないことが見て取れる。 天候や時間帯、ルアーアクションなどと、選択したルアーカラーが上手くマッチして釣果に繋がることがあるだろう。 そうして釣果を積み重ね、その人にとっての「信頼度の高いカラー」が生まれる。それこそが正解カラーなのではないだろうか。 信頼度の高いカラーならあきらめずに釣りを続けられるし、その結果、釣果も伴ってくるのではないかと筆者は考える。 志太 浩太郎(しだ こうたろう) 釣り大好きパパ。 子どもたちの成長と共に少なくなる一方の釣行を、可能な限り有意義なものにしようと奮闘中。 シーバス、ライトソルト、渓流・本流トラウトなどのルアーフィッシングを楽しみ、夏は特に好きな鮎の友釣りで川に入り浸る。
志太 浩太郎